城下町のあゆみ、その5(余話)
萩博物館企画展「城下町萩のひみつ」展では、初公開5点を含む城下町絵図を、8点展示しています。
それらの絵図を通覧すると、三角州上の城下町が、水と戦い、水と共生してきた歴史をたどることができます。
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実は、城下町絵図の他に、城下町と水との関連を知ることができる資料1点を展示しています。
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「町幟図屏風」です。

萩城下には、全部で28の町人町があり、萩町奉行が管轄しました。
大雨により洪水の危険が生じた時には、城下の各々の町内では、三角州周囲の堤防に出動して警戒にあたりました。
その際、それぞれの町の分担地域が分かるように、昼間は町印を染め抜いた幟を、夜間は町印を入れた提灯を持ち場に掲げました。
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各町人町のユニークな町印を確認することができますが、これも、水と戦い共生してきた城下町の歴史を伝える資料です。
瓦町(かわらまち)と西田町(にしだまち)の町印です。
瓦町は、瓦と水しぶきが描かれています。
西田町は、巻貝=ニシ(萩地域では細長い巻貝を総称してニシと称します)が描かれています。
西をニシで表現しています。
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唐樋町(からひまち)と御許町(おもとまち)の町印です。
唐樋町は唐樋門が描かれています。
三角州北東部から中央辺りに広がっていた入江・湿地の深奥部の町です。
御許町は、植物の万年青が描かれています。
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塩屋町(しおやちょう)と米屋町(こめやちょう)の町印です。
塩屋町は(塩)水を汲む手桶が描かれています。
米屋町は、弦のある枡と米を均す棒とが描かれています。
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今魚店町(いまうおのたなまち)と細工町(さいくまち)の町印です。
今魚町は魚の尾ひれが描かれています。
細工町はカンザシなどの細工物の部分が描かれています。

洪水に備え、緊張した出動に用いられた幟や提灯ですが、町印の中には笑みを誘うものもあります。

幸いなことに城下町萩は、低湿な三角州の上に「まち」が築かれていますが、組織的な防災もあり、甚大な水害被害を被りませんでした。    ・・・ つづく  (清水)     
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by hagihaku | 2009-12-21 13:19 | くらしのやかたより
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