「幕末明治の人物と風景」展の楽しみ方②
先週に続き、今週末にも三連休が控えております。

この期間に当館へお運びいただく方も多いのではないでしょうか。

そこでなるべく早く、皆様に「幕末明治の人物と風景」展の楽しみ方をお伝えしたいと思います。


前回はいきなり展示物の詳細にまで踏みこみましたが、ちょっと大事なものを忘れていました。

これも立派な展示物のひとつですので、ぜひ立ち止まって、よく観察していただきたいのです。

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受付から展示室へ向かう途中の回廊に、幅が2m以上もある大きな写真パネルが設置してあります。

この大きく引き伸ばした写真は、ポスターやチラシなどですでにご覧になった方も多いと思います。


この古写真は、吉田松陰没後10年の明治2年(1869)10月26日、すなわち松陰の命日の1日前に撮られたものです。

撮影者は松下村塾の塾生のひとり、小野為八です。

この日、現在の東京都世田谷区若林に葬られた松陰の墓前に、広沢真臣(参議、肩書は当時)、前原一誠(参議)、山田顕義(兵部大丞)といった明治新政府要人を含む、20名近くの長州藩士らが集りました。

彼らはここで何をしようとしているのでしょうか。


じつは、写真を大きく引き伸ばして、ようやくわかったことがあります。

後列左端の広沢は、前原を挟んでその右隣にいる御堀耕輔から、とっくりでお皿のようなものに酒をついでもらっています(ついでもらっているふりかもしれませんが)。

また前原は、四角い弁当箱のようなものを左手にもち、右手のハシでそれをつついているのです。

さらに、前列右から二人目の山田の膝元には、盃が二口置いてあるではありませんか。


『広沢真臣日記』をひもとくと、この日、彼らは「吉田松陰先生正忌」を前日にして、「招魂参拝」をしたと書いてあります。

つまり、彼らは「松陰先生」の霊を招いてお祭りする招魂祭を行っていたのです。


さあ、皆様もぜひ、以上のような点に着目して、もう一度ポスターなどでじっくりと写真の細かい部分までおたしかめください。


ほかになにか、面白いことがわかったという方がいらっしゃいましたら、ぜひ道迫までご一報を!

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by hagihaku | 2011-09-21 09:51 | 企画展示室より
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