「幕末明治の人物と風景」展の楽しみ方⑧
相変わらずのばたばたのため、しばらく更新ができずに申し訳ございませんでした。


今回は、古写真資料のわりと細かい点に迫ってみたいと思います。


まず、これらの写真にご注目ください。

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萩出身の方であれば、すぐにこの写真がどこだかおわかりですよね。
はい、そうです、橋本橋です。
橋本橋を南側から、三角州方面に向けて撮影したものです。
中央の一番高い建物は、かつての萩警察署です。

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こちらはちょっと難易度が高いかもしれませんが、もちろん萩の風景です。
江戸時代に萩藩主の別邸「南園御殿」があったところで、明治時代には「八丁御殿」と呼ばれました。
橋本川を挟んで南側から、三角州のほうを向いて撮影されています。
ちなみに現在、このあたりの一帯は萩自動車学校の敷地となっています。

なおこれらは名刺判の小さな写真ですので、展示ケースに陳列された状態だととても見にくいと思います。

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そこで、展示室の壁にご注目ください。

かなり大きく引き伸ばした状態で、橋本橋の古写真をご覧いただくことができます。


それで、これらの写真のどこに注目していただきたいかというと、左下隅に文字が見える部分です。

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拡大すると、こんなふうになります。

この文字は「山口県長門国萩小橋筋写真師村田青雲堂」と読むことができます。

つまりこうしたラベルが貼ってある写真は、萩の写真館の草分け、村田青雲堂の撮影だということがわかるのです。

しかも面白いことに、鶏卵紙という印画紙の上に、また鶏卵紙で作ったと思われるラベルを貼るという芸当を用いています。


今回、「人物と風景」とタイトルにうたっておきながら、「人物」の古写真にかなり比重がかたよってしまいました。

したがって量的には「風景」の古写真は少ないのですが、橋本橋や八丁御殿など、珍しい萩の風景をじっくりご観察いただく方が多いようです。


それここれも質のよい古写真資料に恵まれたからこそと、展示企画者としてたいへん感謝しているしだいです。


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by hagihaku | 2011-10-19 10:00 | 企画展示室より
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