萩博物館「コマーシャル100年 in 萩」展で萩再発見の5
200枚を超える浜崎の商家旧蔵引き札には、海産物や魚を扱う問屋のものが多く認められます。
今回展示したものの中にも、大阪、神戸、京都のそれら問屋商店の引き札が多くあります。
京阪神方面と萩浜崎との間で、海産物の取引があったことがうかがえます。

以下は、いずれもめでたいエビス様が描かれた神戸駒ヶ林、大阪うつぼの問屋の引き札です。
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清韓貿易の文字が目にとまります。
清国との貿易で思い浮かぶのは、俵物と呼ばれるフカヒレ、干しアワビ、煮干しナマコです。
長州藩では、江戸時代からフカヒレや干しアワビの生産を奨励していましたが、明治時代には、全国のフカヒレ生産の半分以上を山口県が占めていた時期があります。
その鱶(フカ)を漁獲する鱶延縄漁業の全国最先進地が、現在の萩市鶴江(浜崎の対岸)や玉江でした。
鱶延縄漁具や堅牢で航走性能の優れた漁船が、全国に盛んに紹介されました。
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余白部分どころか、引き札の中から飛び出してくるような、なんとも躍動感のある図柄です。
この引き札で目にとまるのは、皮鯨商の文字です。
明治32年(1899)、岡十郎(萩市福井)たちが近代捕鯨会社を設立し、日本で最初に経営に成功します。
日露戦争の後、飛躍的にクジラの捕獲数を増やしたことは、2011年春(4月~6月)の企画展「萩・北浦のクジラ文化」でご紹介しました(乞うご参照、本ブログ)。
この引き札がもたらされた頃には、大阪方面へも販路を拡げていたことが想像されます。
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それにしてもこの引き札の絵は、誰が描いたのでしょうか。
暴れ疾走する馬に跨るエビス様は、鯛を小脇に抱え、足の指で手綱を掴み、釣竿でムチを入れています。
右下に落款が認められますが、不勉強でこの方面に疎く、よく分かりません。
どなたかご教示いただけませんでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。         ・・・ つづく ・・・  (清水)
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by hagihaku | 2013-01-08 11:54 | くらしのやかたより
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