「幕末明治の洋行者たち」展の楽しみ方①
萩博物館をいつもご愛顧賜り誠にありがとうございます。

標記企画展をすでにご覧戴いた皆さま方には心より御礼申し上げます。

先日、本ブログでもご案内申し上げましたとおり、今回のギャラリートークは3回ございます。しかし、開館中、常時同じ状態でご説明できるわけではなく、ご不便をおかけします。

そこで、何回かにわけて、展示の見どころをご紹介させていただきます。

一番目にとりあげないといけないのは、やっぱりこの写真でしょう。

b0076096_16535319.jpg


萩藩(長州藩)英国留学生のロンドンでの集合写真です。いわゆる「長州ファイブ」です。

文久3年(1863)秋から元治元年(1864)春にかけての撮影とみられます。5人そろっての写真は、あとにもさきにも確認することができず、この一枚しか現存していないわけです。そういう意味でも、大変貴重な一コマだということができます。

この写真は大変良好なコンディションで残っているのですが、それは、渡辺蒿蔵〈こうぞう〉がこのアルバムに保存してくれていたおかげなのです。ちなみに、「長州ファイブ」の写真は森有礼のアルバムにもおさめられています。

b0076096_165481.jpg


その渡辺自身の写真も、同じアルバムに入っていました。ロンドンの写真館で写されたもので、明治2年(1869)、27歳頃の姿です。彼は帰国後、長崎で造船の近代化に励み、長崎造船局の初代局長となりました。なお、彼が後半生を過ごした萩市江向の旧宅は、近年保存整備されて一般公開されていますので、ぜひお立ち寄りください。

b0076096_16543667.jpg


本企画展では、渡辺蒿蔵のアルバムから、今回が初公開となる写真を複数展示しています。「長州ファイブ」の写真は今回が2度目となりますが、その他の写真は未公開だったわけです。

おもなところでは、広沢真臣の甥で兵部省からフランス留学に派遣された柏村庸、薩摩藩英国留学生の畠山義成、岡山藩出身で明治期に外交官として活躍した花房義質などです。これらはすべて、写真の説明パネルに「渡辺家寄贈(渡辺蒿蔵アルバム〉」と表記していますから、きっとおわかりいただけるものと思います。

なお、古写真は光にきわめて弱い資料であるため、原本を展示するのはほとんどの資料が最初で最後になると思われます。とくに「長州ファイブ」の写真は、今後も複写版を展示パネルなどにして積極的な活用を図りたいと思っていますが、原本を展示するのはよほどの理由がない限り行わないつもりです。

上記の趣旨をご理解いただいたうえで、どうかこの機会をお見逃しなきよう、そして、本物のセピア色の古写真をご堪能いただきますよう、ご来館をお待ちしております。

[PR]
by hagihaku | 2013-04-23 16:56 | 企画展示室より
<< 結成150年記念テーマ展「奇兵... 「幕末明治の洋行者たち」展ギャ... >>