萩博物館で開催中の特別展「トレジャーアニマル探究記」での一番人気はドードー。
しかし、子どもたちや通(つう)の大人たちの間でひそかな人気を呼んでいる展示物があります。来場者のグループによっては、尋ねてみると本展の人気No.2、No.3にノミネートされることもあるという強豪です。 それは・・・ウェストウッディーオオシカクワガタの標本。 「ウエストウッドオオシカクワガタ」、または単に「ウエストウッディー」とも呼ばれるクワガタムシの一種です。 カブト・クワガタ好きの子どもたちには馴染みのない名前でしょうが、黒光りする漆黒の大きな体に美しいカーブを描いた大アゴが開いている雄姿は実にカッコイイのです。 単にカッコイイだけではありません。 全世界でヒマラヤ山脈の一部にわずかしか生息していないというレア種。そのため、その道の人々・・・つまり大人のクワガタマニアにとっては「クワガタムシの最高峰」 。 さらに、クワガタムシを飼育するブリーダーにとっては、飼育して産卵させることが困難とされているため「あこがれのクワガタ」。どうやら、オスとメスのわずかな成熟度の違いで交尾にいたらない場合が多いようです。そんな理由から人々の手にわたることが少なく、したがって入手するのが非常に難しい・・・というのが現状のようです。 本展を開催するにあたり、ぜひこのクワガタの標本を展示したいと各地の博物館や機関をあたりましたがほとんどなく 実現せず・・・。そこで、私の知人のブリーダーを通じて個人所有している方をご紹介いただき、九州まで借用しに行ったのです。 ・・・ところが、なんと、「寄贈しますよ」とありがたいお申し出をいただき、あまりの気前の良さに驚き、また感激したところです。 本展のポスタの右上ーに神々しいシルエット風に写っているクワガタも、何を隠そうウエストウッディーオオシカクワガタ。この写真は、横浜市の三浦さんからご提供いただいた生態写真です。 このように、多くの方々のご協力とご好意により、この激レア&貴重なクワガタムシを本展でみなさまにご観覧いただくことが可能となりました。 めったに見ることのできないクワガタムシですので、この機会に是非、本展の会場で実物をご覧ください。本展「トレジャーアニマル探究記」 は萩博物館で9月8日(日)まで休みなしで開催しています。 (椋木)
by hagihaku
| 2013-07-25 09:22
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