先日、山口県の日本海側では今季(26年度)初のリュウグウノツカイが長門市で採捕され、山口県水産研究センターを介して萩博物館が寄贈を受けたことをお伝えしました。http://hagihaku.exblog.jp/22213647/
そのときの様子をもう少しくわしくお伝えしましょう。 3月7日の午前、長門市仙崎の白潟の海岸に漂着したリュウグウノツカイの貴重な現場写真。 【写真提供:山口県水産研究センター】 発見者の方は、何やら長いビニールか何かが漂着している?・・・と思ったとのことです。 同じ長門市にある山口県水産研究センターの河野さんはじめスタッフの方が現場に回収に向かわれ、午後、となりの萩市の萩博物館へトラックで搬送されてきました。 写真は萩博物館のトラックヤードで、到着したリュウグウノツカイの処置や計測をおこなう萩博物館スタッフ。 作業をしている途中、萩市立三見小学校の子ども達がちょうど学校の授業で来館中との情報が。 何と運のいい子どもたちでしょう。スタッフが「すっごい魚が来てるから見においで」と、子どもたちを呼び集めると・・・ 「スッゲーーーー!!!」「ヒャ~~~!!」「なにコレぇぇぇぇぇ~~~」と歓喜しながらリュウグウノツカイを眺める子どもたち。そりゃそうでしょう、体長4m38cm、自分の身長の2~3倍もある巨大生物が突然目の前に横たわっているのですから。 こんな巨大生物が自分たちの郷土の海にいた・・・子どもたちにとって、これは忘れられないインパクトになったことでしょう。 このようすは、ちょうど取材・撮影に来ていたテレビ局の記者さんによって、引率の先生の許可のもと撮影され、当日の夕方のニュースで放映されたとのことです。 さて、このような巨大な魚がとれた場合、萩博物館では必ずやるべきことがあります。そう、「モノサシ」代わりに当館スタッフが写真や映像に一緒に写り込むこと! 前回の「サケガシララッシュ」のときは、私(堀)が6匹のサケガシラと一緒に写ったところ、知人の話によると「サケガシラ with ●ゲガシラ」(!?)などと名づけられツイッターで話題になっていたとか、いないとか。 それを上回る話題にはちょっと難しいかもしれませんが、今回はリュウグウノツカイの巨大さをたっぷりと表現すべく、大人数で手で持って写真を撮ることに。 実際、ネットで検索すると分かると思いますが、大勢の人々が龍のように長いリュウグウノツカイを抱えてずらりと並んでいるようなインパクトある写真はなかなかなく、かなりレアなようです。 撮るなら、ぜひそういう写真を!と息巻いて、そこにいた萩博物館スタッフと、テレビ局の方、さらにはちょうど来館されていた海響館の土井さんにも手伝っていただき、取り急ぎ6人で抱えはじめました。 が!・・・ぐおおおおおっ!なんじゃこりゃ~っ!めちゃくちゃ重いっ! とてもとても、やすやすと持ち上がるようなものではありません。 思わず「Iさん助けて~~~」「手伝って~~」と叫ぶ椋木専門員(左端)。画面の左方で下処理の補助をしてくれていたIさんに加勢してくれるよう懸命に頼みます。 今回のリュウグウノツカイ、実は体重が分かりません。こんな巨大で重いものを計れるような機器は当館にありません。6人でも満足に持ち上がらないぐらいですから、おそらく70~100kgにはなるのでは!? Iさんが手伝いに入ってくれました(左端)。 そのとたん、リュウグウノツカイは左を上にヒョイと持ち上がりました! ・・・てなことになるわけありません。これは全員で何度も体勢を整え直して、力をためて再びようやく持ち上げた光景の写真です。 7人力でようやく持ち上がったリュウグウノツカイ。 全員、顔は笑っていますが、心の中では「重いぃぃぃ~っ」「早く撮り終わってぇぇぇ~」と叫んでいます。この状態で1分も持ちこたえらるものではありません。 また、全員 長い手袋をしていますが、安定させながら持とうとすると、リュウグウノツカイの粘液やら銀色の物質(グアニン色素)やらが腕を超えて胸や腹にまでギトギトと付いてきます。 萩博ブログをご覧のみなさん、こういうショットって簡単に撮れると思っていませんでしたか?直前まで、私もそう思っていました。 ・・・が、ほとんど誰もやろうとしない理由が、そして、こういう写真がこの世にほとんど出回っていない理由がよーく分かりました。 さて次は、定番の「モノサシ」タイプのショットです。こういうショットは萩博物館スタッフは何度も経験して慣れていますから、こっちのもんです。 オジサンばかり写っても新鮮味がないので、私たちは補助役に回り、「モノサシ」役は勇気ある女性陣にお任せしました。 これで撮影や取材も終わり・・・ と思いきや、 ただでは終わらせてくれないテレビ局の記者の方たち。 「じゃ、堀さんもお願いします」 「え??・・・この前サケガシラの時やったんでもういいでしょう?」 「いやいやいや、やっぱり堀さんもやらないと!」 「先日着てた白衣を洗ってしまったんで、今日はこの作業着しかないんですよ」 「別にそれでもいいと思いますが」 ・・・などと、神々しいリュウグウノツカイの御体を前に珍妙な押し問答。 そのあげく、 私はまたこのようなことに。 「さ、ではこのままインタビューを」とマイクを向けられる私。 さらに、「何かやってください」とか難しい要求が。 考えあぐねた私が思わず少し上体を起こすと、 「いいですね~それ!じゃ、その姿勢で」・・・と、即インタビュー開始。 不自然な姿勢で体をピクピクさせながら受け答えをする私。 この画が本当に夕方のニュースで放映されたのか・・・ ・・・私には分かりません。 しかしこの写真↑を改めて見ると、このリュウグウノツカイ、デカイですね!胴回りが人間より大きい・・・ こうして体の長~いリュウグウノツカイとの長~い午後がすぎようとするころ、 最後にみんなでもう一度ハリキッてみようということに・・・ つづく 〔つづきはこちら → http://hagihaku.exblog.jp/22274236/ (2014.3.16掲載)〕
by hagihaku
| 2014-03-12 00:00
|
ファン申請 |
||