「ふるさとの島」展、宮本常一の見た萩六島
3月14日(金)、例年では南明寺のイトザクラがそろそろ開花する時期ですが、萩市は少し冷たい風が吹いています。
未明の地震には驚きましたが、萩市は震度4の揺れでした。
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そのような中、萩博物館企画展「ふるさとの島・ふるさとの山河」は、中(?)好評開催中です。
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1961年8月末、民俗学者の宮本常一さんは、萩六島を駆け足で巡っています。
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宮本常一さん(1907-81)は、山口県の周防大島出身の民俗学者です。
全国をくまなく歩き、各地の生活文化を記録し、離島振興や農林業振興に尽くしたことで知られています。
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宮本さんは、1953年の離島振興法成立にかかわり、全国離島振興協議会の初代事務局長でもありました。
そのためか萩六島においても、まずは港湾や道路、島のなりわいや暮らしにまなざしを向けています。
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今回の企画展では、羽島、相島、尾島、櫃島、大島を訪ねた際に撮影された記録写真の一部を、周防大島文化交流センターよりお借りし、パネルに加工し展示しています。
羽島や尾島は現在は無人島となっており、大変に貴重な記録です。
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宮本写真でも紹介している萩六島の相島において用いられていたツヅリと呼ばれる仕事着と、トノス(トリノス、鳥の巣)と呼ばれる背負い運搬具(籠)です。
ツヅリは、一般的には裂き織と呼ばれる織り方の布を用いて仕立てたものです。
布は経糸(たていと)に綿糸、緯糸(よこいと)に細く裂いた古布を用いて織ってあることから、少し厚手で丈夫な仕事着となっています。
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トノスは背負い籠の一種で、鳥の巣に形状が似ていることからこの呼び名があります。
島に自生する松の枝の芯を切り、周囲から伸びる枝を矯めて生長させたものを骨組みとし、それに細い縄をかがって籠状にしたものです。
籠にする竹がないため、このような運搬具を作ると説明されますが、そこで入手できるものを実に巧みに利用したものです。
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1960年頃に相島において撮影された写真です。
若い女性がツヅリと三巾前掛けを着用し、アシナカ(足半草履)を履き、トノスを背負っています。
ツヅリは、用いる裂いた古布の色を変えることで、実に美しい縞模様(横の)となります。
かつては、皆さん何着かを所有していたということです。
嫁入り前に作ったものを、生涯にわたって大事に用いたと聞きました。

ちなみにこの裂き織の仕事着は、山口県では相島と旧福栄村とで用いられていたことが確認されています。
全国的には、日本海側の島や半島、山間地に分布が見られます。
ワタの栽培に適さなかった地域に、北前船などの活動により、上方から古布がもたらされたことが指摘されています。

何事にもありがたく感謝して暮らしてきた「ふるさとの島」です。

おっと忘れてた、明日3月15日(土) 14:00より、企画展示室においてギャラリートークを開催します。
よろしければお運び下さい。

・・・つづく・・・   (清水)
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by hagihaku | 2014-03-14 12:59 | くらしのやかたより
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