1971年11月25日の羽島全島民離島の直前に撮影された写真です。 羽島の港の船溜まりに繋留された船に、松枝や松葉の束が積み込まれています。 本土の転居先で用いる焚付けにするためのものです。 羽島では、風などで折れたり飛ばされたりした防風林の松枝や松葉を蓄えておき、炊飯や風呂焚きに用いていたのだそうです。 恵みをありがたくいただき、余さず使い尽くすということは、ごくごく「当たり前」の暮らしだったのです。 だからこそ、わざわざ転居先まで蓄えておいた松枝や松葉を運ぼうとしているのです。 ところが、いざ転居してみると、この松枝や松葉はあまり用いられなかったのだそうです。 本土では、ガスや電気、灯油を用いる暮らしが主流となっており、台所や風呂の設えも松枝や松葉を用いることができる所は少なく、カマドでご飯を炊く機会はほとんど無かったそうです。 焚付けを用いるにしても、求めれば小木や薪はたやすく入手することができたそうです。 羽島では「当たり前」だった暮らしが、本土では「当たり前ではない」暮らしだったと、島出身の I さんからお聞きしました。 ・・・ つづく ・・・ (清水)
by hagihaku
| 2014-03-24 19:05
| くらしのやかたより
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