少し前にお知らせしましたように、萩博物館で開催中の特別展「最強昆虫列伝」が8月8日に来場者数2万人を突破しました!
この2万人突破を記念し、開幕当初は展示していなかった萩博物館の秘蔵の昆虫標本を5点ほど追加展示しています! ヒラタクワガタのギナンドロモルフ(雌雄型) 体長45mm。体の右半分がオス、左半分がメスになった異常型。一説によると何万匹に1匹しか見つからないといわれる、たいへん珍しい標本です。 萩市で発見され、萩博物館にて6年前の「風雲!昆虫城」展のときに生きたものを展示しましたが、今回は標本として展示していますので、体の構造を詳しくじっくり観察していただけます。 ノコギリクワガタの性モザイク(雌雄型) 体長44mm。これも体の右半分がオスで左半分がメスのように見えますが、よく観察すると完全にオスとメスの特徴になっているわけではなく、「性モザイク」と呼ばれる異常型。 1996年に岩佐さんが佐賀県で採集されたものをご寄贈くださったもので、山口県初公開。 「8本足」(!?)のマイマイカブリ(多脚型) 体長72mm。昆虫の脚の数は6本ですが、このマイマイカブリは左側の中脚の一部から3本の脚が枝のように生え、全部で脚が8本あるように見える、非常にめずらしい標本。 1995年に萩市で採集され、当時の萩市報で紹介されたこともある由緒ある標本。 アゲハチョウとキアゲハのハイブリッド 翅を開いた幅40mm。夏ミカンなどに集まる代表的なチョウであるナミアゲハとキアゲハを、1993年に山口大学にて人工的に交配させてできたハイブリッド(雑種)。 山口県初公開。 自然界でも近縁の種類同士ではごくまれにこうしたハイブリッドが生まれることがあるそうです。 ふしぎな模様に変化したヤマトシジミ 翅を開いた幅21mm。1986年に周南市で採集されたもの。ヤマトシジミはふつうは翅の裏が白く、小さな黒い点ががくさんあります。しかし、この個体は翅の裏全体が黒っぽく、墨を流したような模様になっています。冬に採集されたものなので、低温や日照時間などが原因でこのような異常型になったのではないかと考えられます。 模様がこれほど極端に変化したものは、全国的にもたいへんめずらしいものです。 どれもたいへんめずらしく、貴重な秘蔵の標本です。 「最強昆虫列伝」展の最後あたりのコーナーにて展示しています(会期末の9/7まで)。 当ブログでは実物の標本写真しか載せていませんが、展示ではふつうの型のものも同時に展示しているので、違いをじっくり見比べていただけると思います。 これらの標本は、「最強昆虫列伝」が閉幕する9/7をもって展示を終了し、収蔵庫に厳重保管されます。 その後、少なくとも数年以上は展示公開の予定はありません。 「最強昆虫列伝」をすでに観覧した方も、まだの方も、この機会にぜひご覧ください。
by hagihaku
| 2014-08-14 17:55
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