海を拓いた萩の人々、1 ~ 特別展開幕! 萩地方の櫓(艪)から見えてくるもの ~
2015年は吹きつのる風の中で明けました。
現在、午前11時の気温は-0.3℃です。
ありがたいことに、萩博物館では朝から多数の来館者をお迎えしています、
そうです、萩博物館は年末年始も休まず、年中無休で開館しています。
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随分とブログの更新を怠っておりました。
申し訳ありません。
昨年12月に何とか特別展「海を拓いた萩の人々」展の開催に漕ぎつけることができました。
毎年度、必ず1本以上の企画・特別展を担当しますが、今回は特に、綱渡りの準備となりました。
以下、少しずつその展示内容をご紹介してまいります。
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今回の展示は、海に恵まれた萩の人々や技術が、広く海を拓き、日本の漁業近代化に多大な貢献を果たしたことを再発見していただきたいと企画しました。
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「海を拓いた萩の船」、「漁業近代化の先駆け」、「海の開拓者」、「恵みの海のゆくえ」といったコーナーを設けて再発見を進めますが、その前に、展示室へと続く回廊において導入の展示を行っています。
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「櫓から見えてくるもの」というコーナーで、萩地域で用いられる特徴的な櫓(船の推進具)をご紹介しています。
実は、20年以上の櫓についての調査成果があったことから、北海道の海の開拓に「萩の船」が深く関わったことが分かってきました。
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萩市玉江浦のオシクラゴウ(和船競漕)です。
萩地域で用いられる特徴的な櫓が用いられています。
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船の推進具である櫓は、櫓腕(握って操作する部材)と櫓脚(水に浸かり揚力を発生させる部材)の二材を継いで製作されています。
その櫓腕の形状に注目すると、萩地域では、もっぱら腕の形状が細長いナガウデ(長腕)の櫓が用いられてきたことが分かってきました。
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櫓腕と櫓脚はあまり角度をつけずに継がれ、その接合部に支点となる櫓杭(ログイ)を受けるイレコ(櫓杭受け)が設けられます。
そしてこの櫓を、艫(とも、船尾)の右舷側で操作します。
この形状の櫓は、山口県の日本海側で用いられています。
一方、山口県響灘沿岸や瀬戸内海側では、以下のような櫓腕の形状が平たいヒラウデ(平腕)の櫓が用いられています。
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櫓腕の形状が楽器の琵琶に似ていることから、ビワロ(琵琶櫓)とも呼ばれています。
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平腕櫓では櫓腕と櫓脚が角度をつけて継がれ、櫓脚にカマボコのような形状の高さのあるイレコが設けられます。
そして、萩地域とは異なり、艫の左舷側で櫓を操作します。
同じ山口県下でも、用いられる櫓の形状に違いが認めら、また操作する舷が異なるのです。

長くなりました。
萩地域で用いられる櫓の特徴については、次回、あらためてご紹介しましょう。    (清水)
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by hagihaku | 2015-01-01 13:27 | くらしのやかたより
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