海を拓いた萩の人々、2 ~ 萩地方の櫓(艪)から見えてくるもの ~
2015年1月2日(金)、時折雪が舞いますが、萩は比較的に穏やかな正月二日を迎えています。
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さて、昨日の続きです。
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萩市玉江浦オシクラゴウ(船競漕)の競漕中の写真です。
下の、萩市見島のオシアイ(押合い、和船競漕)の写真と良~~く見比べて下さい。
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アレッ? と思われた方!相当の観察眼をお持ちですヨ。
さらに以下、見島のオシアイに用いられる船と櫓の写真です。
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いかがですか?
同じ萩市の和船競漕ですが、船尾で操作する櫓の位置が玉江は右舷側、見島が左舷側なのです。
そして見島では、ヒラウデの櫓が一丁、ナガウデの櫓とともに用いられています。
玉江浦では、5丁の櫓は全てナガウデの櫓です。
なぜ?どうして??
その素朴な疑問から萩地域や西日本の櫓について調査を始め、成果の一部についてまとめたのが以下の図です。
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ナガウデの櫓の使用状況を示したものです。
白い☐がナガウデ櫓を用いている所で、山口県の日本海側から島根県西部にかけて使用が確認できました。
これらでは、ナガウデ櫓については特に名称が無いとする所が多く、この形状の櫓が一般的に用いられてきたようです。
一方、以下、ヒラウデの櫓の使用状況を示した図です。
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白い〇は現在ヒラウデ櫓を使用している所を示します。
山口県の響灘沿岸や瀬戸内海側に白い丸が分布します。
山口県の日本海側では、未使用か使用してもごく少数という結果が得られました。
そして以下、艫(とも、船尾)の櫓をどちら側の舷で操作するかを示した図です。
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白い△が右舷側、黒い▲が左舷側で操作する所です。
山口県の日本海側と島根県の一部、北九州の一部が右舷側で、瀬戸内海沿岸が左舷側、響灘沿岸は左舷側が一般的で一部が混在という結果を得ることができました。
いかがでしょうか。
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櫓の調査を始めたのは20年以上前のことです。
休みの日を利用して、ポツポツと調査を進めました。
調査で訪れ、歩いて見て聞いた西日本の漁業集落・漁港は150箇所を超えます。

その結果分かってきたことは、萩地域を含む山口県の日本海側においては、ナガウデの櫓が用いられ、それを艫の右舷側で操作することが一般的ということです。
(全国的に見てみると、実は、これは大変に特徴的なことなのです!)

いかがでしょうか、櫓から見えてきたものはありませんか?

実は実は、萩地域の櫓の特徴を把握していたことで、北海道にもたらされ、永く保管されていた漁船の雛形が萩地域のものであると判断できたのです。
その発見談については、次回以降でご紹介します。

・・・つづく・・・  (清水)
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by hagihaku | 2015-01-02 12:49 | くらしのやかたより
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