ひそかなオススメ①~「べっぴん!美形いきもの帳」(~2015.9.6)
萩博物館の27年度の夏の特別展「べっぴん!美形いきもの帳」(2015.7.4~9.6)は今日と明日の2日で閉幕となります。
閉幕前日の今日は朝から多くの親子連れの方々が展示をご覧になっています。

さて、この展示が終わる前に、最後の最後のぎりぎりになってしまいましたが、ここであえて、展示担当者の私(堀)から、とっておきのオススメ展示物こそっと紹介したいと思います。

どれも、チラシ、テレビCM、新聞・テレビ取材などで紹介されることが少なかったもの、または、全く紹介されなかったながらも、展示担当者がひそかに「これを展示できてよかった~!」と、格別の思いのある展示物ばかりです。

明日の閉幕までに萩博ブログのこの記事に気づかれた方・・・明日9/6の16:30入館まで間に合いますので萩博物館へどうぞ!

b0076096_14282370.jpg私がこっそりご紹介したいひそかな自慢の展示物・・・
・・・そのひとつ目。

萩博物館の企画展示室の白い壁に、しっとりと孤高に映る鳥の影。
・・・その持ち主は・・・?

b0076096_14284288.jpg白い孔雀のオスです。
インドクジャクという孔雀の一種ですが、当然、この種類のノーマルなオスは鮮やかな青や緑に飾られた、皆さまご存じのあの妖艶な孔雀です。

が、自然界は本当に不思議なもので、このような真っ白なものが生まれてくることもあるのです。
色素の欠乏による「アルビノ」ではなく、大昔 地球が寒くて白い雪や氷が多かったころに生きていくのに適していた、体を白くする遺伝子が現代でも現れた「白変種」と考えられます。

全身が均一に白いもんですから、羽根の繊細なテクスチャや凹凸や陰影だけで、それはそれはみごとな「美」を演出してくれています。

国立科学博物館より借用して特別に展示している貴重な剥製です。
近くに、青や緑に飾られたノーマル型のインドクジャクの剥製(協力:光市文化センター)も展示していますのでぜひ見比べてください。

b0076096_14285523.jpg私がひそかに演出にすごくこだわったコーナー。

オスが美しいキジのなかまの鳥5種類が勢ぞろいした展示。
私はかってに「美形キジファイブ」と呼んでます・・・

右端に日本の「国鳥」のキジ、そして左に向かってアジアの珍しく美しいキジのオスたちが「美」を競うように並んでいます。

b0076096_1429141.jpgそんな「美形キジファイブ」の中に、
文字通り「金」の「鶏」と書くキンケイ(金鶏)、
「銀」の「鶏」と書くギンケイ(銀鶏)、
さらにそれらがかけ合わさったキンギンケイ(金銀鶏)
・・・という美形のキジ軍団が。

そんな中で私がひそかにお気に入りなのは・・・左の写真のギンケイ(銀鶏)。
当然、キンケイは文字通りゴージャスな金色に彩られて神々しく輝き、
キンギンケイは珍しいレアな存在であるという点でひときわ存在感のある鳥です。

一方、ギンケイは両者のはざまでやや控えめな存在なのですが・・・
なかなかどうして、派手すぎず、輝きすぎず、ブルーグレー系にびしっと決めたクールな「美」を放っていて、私はなぜか一目置いてしまうのです。

このギンケイ、そしてキンケイとキンギンケイの剥製は、岡山県津山市のつやま自然のふしぎ館のご協力によりこのたびの展示が実現したものですが、
お借りして当館で展示して初めて気づいたのですが・・・美しいギンケイのオスが得意そうにとまっている台木の裾の左下をご覧ください。ここに、ギンケイのメスがいたのです!
色がよく似ているので、私はてっきり木の一部かと思っていました。

オスはメスの気をひくために美しく着飾っていますが、このようにメスは地味な茶色。
このギャップも、閉幕までにしっかり見ていただきたいものです。

b0076096_14292820.jpg私のお気に入りの次なるものは、チョウの展示。

先日、もう一人の展示担当者の椋木専門員に一足先に紹介されてしまいました・・・

が、昆虫専門でない私にとっても、翅が透明なスカシジャノメや、黒地に鮮やかな青や緑の斑紋をもつクジャクアゲハ、深い深い海のようなシックな紺色のマルバアカネアゲハ、そしてピンクと黄緑をあしらったメルヘンチックなミイロタテハは存在自体が「芸術」です!

博物館らしからぬ、美術館のようなスタイルで展示を!ということで椋木専門員と何日も何日も展示方法を論議したのを懐かしく思い出します。

b0076096_14294691.jpg次は「世界一美しいカタツムリ」といわれるコダママイマイ

「でんでんむし」の歌で知られる、どちらかというとおっとりしたイメージのカタツムリですが、カリブ海のキューバにはこんなに派手でインパクトのあるカタツムリがいるのですね。

左の写真のように、同じ種類でも個体によってこれほどにまで色が違うのです。

b0076096_1430126.jpg陸上生物からの最後は・・・
クロヒョウ。つやま自然のふしぎ館の協力により展示が実現しました。

「美しい」いきものを特集した展示会なのに、なぜ猛獣がいるの?ちょっと強引じゃない?という声があがりはしないかと少し気になっていたのですが、私の期待はいい方に裏切られました。

ご来場くださった3万人の皆さまは、クロヒョウをはじめとする猛獣や猛禽類、肉食動物たちの「美しさ」にもちゃんと気づいてくださったようです。
そう、ひごろはべた~っと寝そべっているヒョウも、いざ獲物を見つけ、接近し、襲いかかろうと、鋭い目つきで一点を見つめ、肩や腿の筋肉にグワッと力をいれ、戦闘態勢に入ったその姿は・・・
ゾッとするほどの「美しさ」を発揮するのです!

いきものは、生きるために一生懸命何かを追い求めたり、生き生きと活動している姿こそ、もっとも「美しさ」を発揮する!
・・・これこそ、私がこの展示会で皆様にお伝えしたかったことのひとつです。

引き続き、次の萩博ブログ記事では、私のひそかなオススメ・・・海洋生物バージョンをお届けしたいと思います。

(堀)




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by hagihaku | 2015-09-05 15:36 | 企画展示室より
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