萩博物館の「龍蛇様」・・・セグロウミヘビ(2016.12.29)

b0076096_11584933.jpgうわっ!ヘビだ!びっくりした~ ・・・と、写真を見て驚いた方が多いことでしょう。
まるで生きているかのような、とあるヘビの剥製。これも12/16に新装オープンした新「いきもの発見ギャラリー」の隠れた見どころのひとつ。

私たちがよく見聞きする陸のヘビとは違います。海にすむウミヘビの一種、セグロウミヘビです。コブラ科のヘビで、人をも死に至らしめるほどの猛毒の持ち主。そんな話を聞くと恐くなってしまうかもしれませんが、このヘビは別格、古来より人々に特別な扱いを受けてきた神聖なる生物なのです。

出雲の国(現在の島根県東部)では、神々が集まるとされる「神在月」(現在の11月ごろ)、このヘビが海辺にたどり着いて打ち上げられるといいます。人々はこれを「龍蛇様」と呼び、神々の先導役、神の使いとして敬い、出雲大社や佐太神社や日御碕神社(漂着地よって決められた神社)に奉納し「神在祭」なる儀式をおこなうのだそうです。

セグロウミヘビはもともと南のあたたかい海にすむウミヘビですが、対馬暖流に乗って日本海へ、風波によって出雲の海岸に漂着するのがちょうど「神在月」の頃とのこと。

対馬暖流は萩の沖を流れて出雲の方へ向っていきます。また、11月だけでなく冬全体にわたって北西からの風波がありますから、冬場に萩付近にもセグロウミヘビが漂着することがあります。近年ではちょうど3年前の2013年12月29日、萩の西の長門市油谷の海岸に漂着し、山口県水産研究センターからの紹介で当館に持ち込まれました。それが剥製となって当ギャラリーで初めてお目見えとなりました。

神在月より一足遅れて出雲の国の手前に到来した「龍蛇様」。皆様にどんな縁やご利益をもたらせてくれることでしょう。年末年始、ぜひ萩博物館の新「いきもの発見ギャラリー」でご対面ください。

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by hagihaku | 2016-12-30 11:59 | いきもの研究室より
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