萩の街では、今からちょうど130年前の1876年(明治9)10月、明治新政府と不平士族との間で10日間ほどの戦闘が繰り広げられました。日本史の教科書でいう「萩の乱」です。
当館の萩学展示室では5月12日から、これを記念して小特集展示「前原一誠と奥平謙輔」を開催しています(11月10日まで)。 なかでもご覧いただきたいのは、萩の乱関係の錦絵(にしきえ)です。これらの大半は、生前、萩の郷土史研究家として多大なご功績を残された故・田中助一先生の収集品で、ご遺族から当館に寄贈されたものです。合計6点の錦絵を、1ヵ月ごとに取り替えてご紹介します。 錦絵は、報道メディアの発達途上にあった明治初年、いわば「絵入り新聞」として大流行しました。ところが版元に注目すると、「浅草」や「日本橋」など、ほとんどが東京であることがわかります。不平士族による騒動が、当時中央でどのように取り扱われていたかが、少し見えてくるかもしれませんね。 「維新のふるさと」として全国からたくさんの観光客を迎える萩市。しかし明治維新という空前の政治体制・社会構造の変革の過程で、萩にも前原や奥平のような「ラストサムライ」が出現し、中央政府にモノを申したという郷土の歴史を、しっかりと未来に継承していきたいものです。 (道迫)
by hagihaku
| 2006-05-19 14:51
| 常設展示室より
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