松陰と俊輔をつなぐ一本の脇差―「長州ファイブ展」より①―
7月1日からのオープンが目前に迫った「長州ファイブ展」。「何が展示されるの?」といったご質問にお答えすべく、ここで一つご紹介します。

b0076096_19192863.jpg当館に1本の脇差(わきざし)があります。実はこの脇差、あの吉田松陰が所持していたという伝承があるのです。つい半年ほど前までは松陰遺墨展示館で公開されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

しかもこの脇差、松陰が海外密航を試みた際に持っていたというのです。ただしあくまでも「言い伝え」ですので、本当かどうかはわかりませんし、また今後、その真偽がはっきりすることはないだろうと思います。

ところが、ここから先の話が面白いところで、伝承によれば「のちに伊藤俊輔(博文)が入手し、神戸の実業家を経てカナダ人に贈られた。昭和63年(1988)日加両国親善の証として松陰生誕地に戻したいというカナダ人の強い希望から、萩市に寄贈された」というのです。

たしかに脇差そのものについては、真偽のほどがわからないため「たいしたことないじゃないか」と言われても仕方がありません。また松陰の脇差が俊輔に渡ったというのも、エピソードとしてはできすぎのような気もします。

とはいえ、海外密航を果たせなかった師と、9年後にそれを実現した弟子とをつなぐアイテムという意味ではとても興味深いものがあります。「海外密航の遺伝子」とでもいうべきものが、二人の間で継承されていたのかもしれませんね。

(道迫)
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by hagihaku | 2006-06-29 19:21 | 企画展示室より
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