先日、菊ヶ浜に調査に行ったとき、ちょっとしたモノを見つけました。幅1cm弱、長さ10cmあまりの、黒いリボンのようなモノ(下の写真↓)。
これは「アマモ」という、海底に生える種子植物。もともと1m近くにもなる緑色の長い葉が、ちぎれて黒ずんでしまったものです。 ご存知の方もおられると思いますが、この「アマモ」には植物でもっとも長い「別名」があります。 その「別名」とは、・・・「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」。なんと21文字! なんだか全然覚えられない名前なんですけど、漢字と平仮名になおすと・・・ 「竜宮の乙姫の元結の切りはずし」。 つまり、竜宮城の乙姫が束ねて結った髪を切りはずしたもの、という意味です。昔の人は、海岸に漂着したこの植物の細長い葉を見て、竜宮城にすむ乙姫の切れた髪が深海から流れついたようすを連想し、そう名づけたのでしょう。 この植物は瀬戸内海などの内湾に生えていますが、私はまだ菊ヶ浜の海底に生えているのは見たことがありません。でも、萩のどこかに、これが生えている場所があるのでしょう。 萩の城下町のすぐ目前の浜でとれた、「竜宮の乙姫の元結の切りはずし」の残骸。 この萩の沖のどこかに、乙姫がすむ竜宮城があるのではないか ・・・そう私たちに暗示しているかのようです。
by hagihaku
| 2006-09-06 20:11
| いきもの研究室より
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