4/13に萩市三見の定置網で採れた深海イカの「サメハダホウズキイカ」をご紹介しましたね。
「鮫肌」の肌と、「ほおずき」のような胴体、そしてカワイイ風貌が多くの方々のツボにハマったのか、その後みなさまから大反響をいただきまして、このイカ、かなり有名になったようです。 そんな今話題の「サメハダホウズキイカ」がまたまた萩近海に浮上!! 採集地: 阿武町筒尾 第二外海栽培漁業センター 岸壁のいけすの下・水深約2m 採集日: 2007年4月29日(日) 朝7時前 採集者: 第二外海栽培漁業センター 坂井さん 先日下関市の海響館でも入手されたようなので、これで山口県内6例目となります。 坂井さん、ご寄贈ありがとうございました。 イカはまだ元気に生きているので、萩博の研究室の小型水槽に入れて観察を。 ただ、前回の三見の個体は萩博にやってきた後、一晩で死んでしまったので、 今回は生きているうちにたくさんの写真や映像を撮って生態を記録することに。 動画はここで紹介するのは難しいので、たくさん撮った静止画の中から選りすぐりのものをここで紹介しましょう。 「サメハダホウズキイカ」の生き生きとした表情を収めたミニ写真集(!?)です。ごゆっくりお楽しみください↓↓ 胴体の長さ7.5cm、足までふくめると長さ13cmぐらい。 ここでちょっとご確認を。イカは、足がある方が「前」、胴体の方が「後ろ」。 なので、この写真では体を左側から見た状態です。 体はほとんど透明で、目と内臓(胴体の中の金色に見える部分)だけが輝いています。内臓は、こんなに小さいのですね! 水槽の中では、ほとんどいつもこんな体勢。 胴体の後ろを下に垂らし、足を前に突き出して垂らし、 ・・・積極的に動くことはなく、ぼんやり漂っています。 深海でもいつもこんな感じなのでしょうか・・・。 背中側から見たところ。 さっきまでの写真では、胴体の中に内臓が金色に見えていましたが・・・ 背中側から見ると、内臓はほとんど見えません。 目の上側の縁は、真っ黒ですね。 海中で敵が上から見たときに、暗い背景に溶けこんで見えにくくなるのでしょう。 今度は、お腹(おなか)側から見たところ。 やはり、お腹側から見ると、内臓がちゃんと透けて見えます。 また、目の下側の縁には、先日ブログで紹介したように発光器があります。 ・・・こうして内臓や目は輝くので、海中で下から見上げたとき、明るい背景に溶けこんで見えにくくなるのでしょう。 フワフワと漂いながらこちらを向いてくれたので、一枚撮りました。 顔の前に、2本の長い「触腕」(しょくわん)の陰に隠れて、短い8本の足がモジャモジャと生えているのが分かりますね。 何を思ったのでしょう、「触腕」をピュッと上に上げて、ポーズをとりました。 それにしても、胴体の表面・・・ホントに「鮫肌」のようにザラザラですね! 警戒しているのでしょうか? ・・・足を髪の毛のように全部上げ、こちらを向いてジーっとにらんでいます。 まるで飛行船みたい。イカとは思えませんね? 私のお気に入りのショットです。 ・・・そこで、かわいそうとは思ったのですが、 ちょっとだけ手網で顔のあたりをつついてみました。 す・る・と・・・!! 全身がサッと赤色に!!! 「なにすんだよぅっ!」と膨れっ面で水槽の隅へ。 イカのなかまは体の表面の色や模様でコミュニケーションをとるといわれていますが、 「サメハダホウズキイカ」もイカらしく表情豊かなところを見せてくれました。 この「サメハダホウズキイカ」、深海のイカなので長期の飼育は難しいと思いますが・・・、 可能な限り研究室で飼育していろんな特徴を観察し、ブログや展示などを通してみなさんに情報をお届けしたいと思います。 (堀)
by hagihaku
| 2007-04-30 11:56
| いきもの研究室より
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