先日来、萩の風物詩である夏みかんの花の状況を、リアルタイムでお伝えしてきました。
博物館の東門から、正面玄関までのスペースには、まだ若い夏みかんの木がたくさん植え込まれているのですが、こちらはもうかなり花が咲き誇っています。 人間の嗅覚というのはすごいもので、このにおいを体で覚えてしまっているんですね。パソコン画面では香りまで皆さんにお届けできないのが、ほんとうに残念です。 ところで、現在開催中の「萩・夏みかん物語」展では、萩出身の画家松林桂月〈まつばやし・けいげつ〉(1876~1963)が最晩年に描いた超大作、「香橙図屏風」〈こうとうずびょうぶ〉が展示されています。 桂月は文化勲章も受章した近代日本を代表する画家で、南画界の巨匠として全国的にも名が知られています。 これほどの偉大な画家が、亡くなる前々年から前年にかけて、ふるさと萩市のために描いてくれていたのですから、萩にとってはたいへん貴重なお宝であるわけです。 そこで、これを実際の夏みかんの木と見比べてみてください。 したがって5月は、この屏風を楽しむにはもっとも良い時季であるわけです。 ですが、残念ながらブログの写真や絵葉書では、とうてい桂月の作品のすばらしさをお伝えすることができません。 横幅8メートルほどもある六曲一双〈ろっきょくいっそう〉の屏風のもつ迫力を、ぜひ、皆さん自身の目でお確かめください。 ただし、屏風を鑑賞するのが先か、まちなかで夏みかんの花の香りを楽しむのが先かは、皆さんのお好みしだいということで。 (道迫)
by hagihaku
| 2008-05-11 14:19
| 歴史資料調査室より
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