「風雲!昆虫城」展の見どころ その①
「風雲!昆虫城~カブトムシたちの戦記」 の展示の中で、教科書などによく出てくるイギリスの有名な博物学者ダーウィン(チャールズ=ダーウィン)に関連した展示が2点あります。

この2つがすごく対照的でおもしろいので、ちょっと紹介しましょう。

b0076096_20125998.jpg一つは南アメリカ大陸のチリクワガタ(コガシラクワガタ)です。

このクワガタを見たダーウィンはこう考えました。
・・・クワガタは戦うために大アゴを大きく進化させたものだが、このチリクワガタのように大アゴがあまりにも細く長く進化してしまうと本来の意義をなくしてしまう。
それでは「生物は、すんでいる環境にあわせて姿をかえてきた」という進化論では説明がつきません。そこで、ダーウィンは、このクワガタは本来の用途を超えて過剰に進化してしまった・・・つまり「過剰進化」したのではないかと考えました。

あのダーウィンとこんな経緯のあったこのクワガタ、ニックネームで「ダーウィンの甲虫」と呼ばれています。


もう一つは、アフリカのマダカスカル島にいるキサントパンスズメです。
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ダーウィンはこの島で距(きょ: 蜜のある部分)の長さが30cmもあるスイセイランの花を見つけ、「この花の蜜を吸う30cmの口をもつ昆虫がきっといるはずだ」と予言しました。しかし彼は生涯、そんな昆虫の存在を突き止めることはできませんでした。

ところが彼の死後、口が長さ30cmもある昆虫が本当に見つかったのです。それがこのキサントパンスズメ
これは、植物が花の蜜を吸う昆虫を選んでいる良い例です。
植物は、昆虫に蜜を与える代わりに花粉を運んでもらい、受粉(じゅふん)してもらいます。
しかし、ちゃんと自分と同じ種類のなかまとの間を昆虫が行き来してくれなくては受粉できません。
そのためには、いろんな種類の昆虫がワラワラと蜜を吸いに来て適当に散っていってしまうのを避け、特定の昆虫だけに蜜を吸いに来てもらったほうが有利です。

スイセイランの蜜を吸うことができるのは長い口をもつキサントパンスズメだけ。そんなキサントパンスズメも、蜜をめぐって他の昆虫と競争する必要のないスイセイランの花にしかやって来ないようになったものと考えられます。
こうしてこの2つの昆虫と植物は長い間かけて共に少しずつ形を変えて進化していったと考えられ、このような進化を「共進化」と呼んでいます。

みなさんも、身近な花をよく観察すると集まる昆虫の種類が決まっていることに気づくと思います。花の構造や色などによって集まる昆虫が決まっているのには、ちゃんと意味があるのです。


(ムクノキ)
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by hagihaku | 2008-08-11 20:23 | 企画展示室より
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