2016年 12月 30日 ( 2 )
約50~80年前の魚のミイラ!?・・・乾燥標本(2016.12.30)

b0076096_1212374.jpg萩博物館の新「いきもの発見ギャラリー」の次なる見どころは・・・写真をご覧ください。ぎょぎょっ!?魚類のミイラ!?・・・乾燥標本です。

生きている時の魚は人の力では決して再現できないぐらい透明感がありカラフルで美麗。しかし、いざ博物館や研究機関の標本として保存しようとすると、昆虫や貝殻とは比にならないほど難しいテクニックを要します。ホルマリンやアルコールに漬けて「液浸標本」にするか、中身を取り出して別のものを詰めて整形し「剥製」にするのが一般的ですが、「乾燥標本」にするという手もありました。

b0076096_1214234.jpg今から約80年前、「萩の博物学の父」田中市郎が私立「田中博物館」で収蔵展示した後、萩市に寄贈し、歴代の萩の科学館や博物館へ、そして萩博物館へ引き継がれてきた標本の中に、約50~80年前に萩近海で採集され製作されたと思われる乾燥標本がいくつもありました。

ミイラのように完全に干からびてシワシワになり、見た目がショッキングでもあるため、あまり「展示物」に向いているとはいえません。そのためか、当館の開館以来はもちろん、前身の萩市郷土博物館でもおそらく展示公開されたことはありません。

が、その魚がこの町の沖の海に存在したことを何としても未来に伝えようと懸命に格闘した先人たちの努力を示す歴史的資料として、このたびより新「いきもの発見ギャラリー」にて当館初公開!

b0076096_122720.jpg先日お知らせしましたように、当ギャラリーは順路もストーリーもありません。標本ひとつひとつから、皆様には直接メッセージを受け取っていただきます。

今から50~80年前の萩の海を泳いでいた魚たち・・・皆様にいったい何を語りかけてくるのでしょう?

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by hagihaku | 2016-12-30 12:03 | いきもの研究室より
萩博物館の「龍蛇様」・・・セグロウミヘビ(2016.12.29)

b0076096_11584933.jpgうわっ!ヘビだ!びっくりした~ ・・・と、写真を見て驚いた方が多いことでしょう。
まるで生きているかのような、とあるヘビの剥製。これも12/16に新装オープンした新「いきもの発見ギャラリー」の隠れた見どころのひとつ。

私たちがよく見聞きする陸のヘビとは違います。海にすむウミヘビの一種、セグロウミヘビです。コブラ科のヘビで、人をも死に至らしめるほどの猛毒の持ち主。そんな話を聞くと恐くなってしまうかもしれませんが、このヘビは別格、古来より人々に特別な扱いを受けてきた神聖なる生物なのです。

出雲の国(現在の島根県東部)では、神々が集まるとされる「神在月」(現在の11月ごろ)、このヘビが海辺にたどり着いて打ち上げられるといいます。人々はこれを「龍蛇様」と呼び、神々の先導役、神の使いとして敬い、出雲大社や佐太神社や日御碕神社(漂着地よって決められた神社)に奉納し「神在祭」なる儀式をおこなうのだそうです。

セグロウミヘビはもともと南のあたたかい海にすむウミヘビですが、対馬暖流に乗って日本海へ、風波によって出雲の海岸に漂着するのがちょうど「神在月」の頃とのこと。

対馬暖流は萩の沖を流れて出雲の方へ向っていきます。また、11月だけでなく冬全体にわたって北西からの風波がありますから、冬場に萩付近にもセグロウミヘビが漂着することがあります。近年ではちょうど3年前の2013年12月29日、萩の西の長門市油谷の海岸に漂着し、山口県水産研究センターからの紹介で当館に持ち込まれました。それが剥製となって当ギャラリーで初めてお目見えとなりました。

神在月より一足遅れて出雲の国の手前に到来した「龍蛇様」。皆様にどんな縁やご利益をもたらせてくれることでしょう。年末年始、ぜひ萩博物館の新「いきもの発見ギャラリー」でご対面ください。

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by hagihaku | 2016-12-30 11:59 | いきもの研究室より