<   2009年 02月 ( 17 )   > この月の画像一覧
宇宙のゴミ問題

2009年2月10日、シベリアの上空約800 kmで2つの人工衛星が衝突しました。

片方はイリジウム33という商用通信衛星、もう一方は、既に運用を停止していたロシアの軍用通信衛星
コスモス2251です。衝突によって2つの衛星は600個以上の破片となりました。

2007年には中国がミサイルによる人工衛星の破壊実験を実施したため約2500個の破片ができ、
2008年にはアメリカが制御不能になった衛星を破壊したため、数千個の破片ができました。

このような宇宙を漂う人工物体をスペース・デブリ(space debris)または宇宙ゴミと呼んでいます。

直径10cm以上のものは、北アメリカ航空宇宙防衛司令部 (NORAD) の宇宙監視ネットワーク (Space Surveillance Network;) 、ロシアの宇宙監視システム (Space Surveilance System)などで常時監視が行われています。

日本でも美星スペースガードセンター、上斎原スペースガードセンターの2施設でデブリの監視をしています。

デブリは直径10cm以上のもので1万3000個以上、直径1~5cmほどのもので15万個以上も存在するとされ、
これらの一部は数十年間、中には100年以上も宇宙空間に存在し続けるものもあると考えられています。

直径1cm程度の破片であっても秒速数kmの速さで衝突すれば、衛星を破壊してしまうほどの威力を持つため
とても危険です。

今後、打ち上げられる人工衛星の数が増えることは確実で、宇宙ゴミを出さない衛星の設計、処理方法などの
対策が急がれます。

[PR]
by hagihaku | 2009-02-27 19:23 | 天体観測室より
吉田松陰展、そろそろ解禁です。
こんばんは、道迫です。

今日は萩市の田万川地区まで、高齢者対象の出前講座に行ってきました。

かつて吉田松陰が踏査したであろう北浦の海岸沿いを軽自動車で進むのは味気なかったですが、仕事なので急がねばなりません。

はじめて行く場所でしたので、時間ぎりぎりの到着であせりましたが、田万川の皆さんには松陰の話をさせていただきました。

わりあい天気がよかったので、帰りがけに、世界遺産や博物館の展示の関係で調査かたがた、良い写真を撮影することができました。

b0076096_20291073.jpg
この写真をご覧になられて、わたしがどこに行ったかがおわかりだという方、けっこういらっしゃいますよね?

前置きはよいとして、年度はじめのイベントは、いろんな制約があってなかなか情報が出しにくいのですが、ようやくそれも緩和してきました。

よって、たいへんお待たせをいたしましたが、発表します。

今年は、すでにご承知のとおり松陰先生150年祭という50年に一度の節目の年であります。

よって萩博物館では、4月中旬から、つぎのような展示を行うことになりました。

展覧会名称 「至誠の人 吉田松陰」
会期 平成21年4月18日(土)~6月21日(日)

※ギャラリートークも予定、日程は後日

すでに、萩博の公式ホームページで一部情報が出ておりますので、お気づきの方も多いとは思いますが、現在は急ピッチでポスターやフライヤーなどの広報媒体を作成中です。

来月の上旬、いや、遅くとも中旬には、公式ホームページ、またこのブログでもご紹介させていただきます。

しかし、待ちきれないという方には、ちらっとだけ、どんな展示物が出るか、ご紹介します。
許諾の関係で画像がアップできませんので、ご了承のほどお願いします。

松浦松洞が描いた松陰の肖像
いわずとしれた松陰先生のあの肖像画。必見史料。ちなみに、山口県文書館の公式ホームページをおすすめします。このHPはすぐれもので、肖像画を高精細で見ることができます。

松陰が練習したオランダ文字
松陰も一時期、オランダ語をすこしかじったようです。そのなかで、現在知られている松陰のオランダ文字の筆跡はこの1点です。珍しい史料。

処刑直前に松陰が書いた絶筆
はじめて本物を見たときにはさすがにふるえがきました。これも必見史料。ただ保存上、展示替えをせねばなりませんので、本物は30日間限定公開ですが、代用に展示する複製もたいへんよくできていますよ。

などなど、今回は、なかなかお目にかかることのできない史料がめじろおしです。

力不足のため、充分に松陰の魅力をお伝えできるかどうか不安が残りますが、残された準備時間がんばりますので、どうぞ、楽しみにお待ちいただけたらと思います。

よろしくお願い申し上げます。

[PR]
by hagihaku | 2009-02-26 20:41 | 歴史資料調査室より
NPO活動発表会-海洋チームのようす
萩博物館のいろいろな活動や、萩市が推進している「まちじゅう博物館構想」の推進にたずさわっているNPO萩まちじゅう博物館の各班・チームの活動状況を披露する発表会が、去る2月21日(土)~22日(日)にかけて萩博物館で開催されました。

当日の会場全体や各班・チームの様子についてはNPOの方で主体的に報告されると思いますので、ここでは私(堀)から、いつも私が海洋部門の調査や普及事業で連携している海洋チームのみなさんの様子をちょっとだけご報告。

b0076096_854451.jpg
まず、海洋チームのみなさんが出展されたのは、日頃の活動をコメント入りの写真にアレンジしたパネル。
b0076096_8581544.jpg
そして、海洋チームが萩付近での海岸調査中に日本海で初めて発見した貝の標本!

(※貝の詳細については改めてお知らせします。)
b0076096_8592097.jpgそしてメインがこれ。
海岸調査の余品としてストックしておいた貝をたくさん机に広げ、来場者の方々に「ある貝」を探し出していただこうというコーナー(探し出した貝をプレゼント!)。

・・・題してWANTED あの貝をさがせ! これであなたも貝の捜査官コーナー。
↑ オープニング前、世話人の粟屋さん(右から2番目)を中心に打ち合わせをする、会場係として集まったメンバーのみなさん。

b0076096_901446.jpg発表会の2日目。多くの親子連れの来場者の方々と貝を通じて交流する海洋チームのみなさん。
日頃からの市内の小学校への出前授業、一般市民のみなさま向けのイベント、萩博物館の体験型常設展示「ザ・シェリング・バー」の運営などでの経験をフルに生かし、このたびも萩の海の魅力の普及に力を発揮してくださいました。


海洋チームのみなさん、お疲れさまでした! 

(堀)

[PR]
by hagihaku | 2009-02-24 08:57 | いきもの研究室より
あなたもその手で桜貝を!
先日のNHK山口の番組「とくもり情報ランチ」でもお知らせしました、萩博物館・海洋部門が3月20日(金・祝)におこなうイベントをご紹介します。

b0076096_12194281.jpg
あと1ヶ月もたたないうちに、春がやってきますね。

春になって、穏やかな萩の浜辺に立ち、波打ち際をつぶさに見ていくと・・・

波で打ち上げられた、さまざまな可憐な貝殻を見つけることができます。
なかでも、歌や詩に詠われた、誰もが知っているあの有名な「桜貝」

b0076096_12403973.jpg
サクラガイカバザクラベニガイ・・・などさまざまな「桜貝」のなかまたちです。
キレイにならべれば、まさしく「浜辺に咲く花」


そのほかにも、色とりどりの貝殻が。
どれも1cm弱~3cm強の小さな貝です。
b0076096_1245348.jpgb0076096_12474860.jpg
b0076096_12484388.jpgb0076096_12491574.jpg
b0076096_12502447.jpgb0076096_12512020.jpg
b0076096_12521949.jpgb0076096_1252549.jpg


日本人のネーミングのセンスはなんとすばらしいことでしょう。
「ほぉ~っ!」と感嘆するような風流な名前が、この小さな貝のひとつひとつに昔からつけられていました。


もうすぐ春。あなたも春の浜辺に一番のりして、あなた自身の目で「桜貝」をはじめいろいろな可憐な貝殻を見つけ、その手で拾い集めてみたくありませんか。
心の中で「おもしろそう!」と叫んだあなたのために、萩博物館は来月、ひとつのイベントをおこないます。

題して・・・「海からの贈り物コレクションツアー『浜辺の花サクラガイを求めて』」

b0076096_1241138.jpg
(※画像をクリックすると、少しだけ大きく鮮明になります。)

このイベントは、高校生以上の大人の方向けとさせていただいておりますので、小学生以下のお子様もご参加される場合は、必ず保護者同伴でお願い致します。

定員は30名となっていますが、昨日の時点ですでに22人もの方々からお申し込みが! 残席はあと8名分だけ!!(※ 2/21 11:00現在)

お問い合わせ・お申し込みはお早めに!
(電話受付9:00~17:00; 年中無休なので毎日電話OK)

(堀)

[PR]
by hagihaku | 2009-02-22 18:00 | いきもの研究室より
市内とある神社にて
「萩ものしり検定」問題集の、改訂編集が進んでいます。
編集長の rie 事務局員が、連日、ウンウンうなっています。

その問題集の設問についての話題を一つ・・・

b0076096_15575340.jpg

市内のとある神社の拝殿内です。
引き戸の上、掲げられた額の右隣をご注目ください。

b0076096_1602290.jpg

クジラの髭(ヒゲ)に、捕鯨砲を備えた汽船捕鯨船(キャッチャーボート)が描かれている絵馬の一種です。
高速で航行しているのか、捕鯨船は白波を蹴立て、煙が真横にたなびいています。
奉納者の名前は記されていますが、残念ながら奉納年月日は確認できませんでした。

b0076096_1643384.jpg

日本において、汽船とノールウェー式捕鯨砲を導入した近代的な捕鯨会社が創設されたのは、明治32年(1899)のことです。
阿武町出身で、萩市福井の岡家を継いだ「岡十郎」が、その創設に深くかかわりました。
「岡十郎」たちが興した捕鯨会社は、その後、拡大・企業合同を経て、日本を代表する捕鯨会社へと発展しました。

捕鯨にかかわった総合水産会社のニッスイの創業者は、萩出身の田村市郎で、永く北九州の戸畑を拠点としていました。
同じく捕鯨にかかわったマルハは、長く下関市に拠点を置いていました。

萩地域を含め、山口県の日本海側の地域では、昔から、多くの人が捕鯨船に乗り組んでいたとされます。
(今後、そのことについて情報を集めていきたいと考えています)
クジラの髭に捕鯨船を描いたこの絵馬(?)は、萩地域らしい奉納物と言うことができます。

(清水)
[PR]
by hagihaku | 2009-02-21 16:43 | くらしのやかたより
ダイヤモンドリング
2月9日(月)~10日(火)にかけて半影月食が起きました。

半影月食は太陽-地球-月がほぼ一直線に並び、地球が月に当る太陽光の一部を
遮ることによって起きる現象です。いつもよりも月面が暗くなるはずですが、目で見て
いてもあまり明るさが変わったように見えないので、月食が起きていると気付きにくいです。

さて、これを月から見るとどのように見えるのでしょう?

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は月周回衛星「かぐや」に搭載されている
ハイビジョンカメラで、この現象を月から撮影しました。

b0076096_1631485.jpg

(画像:JAXA/NHK)


明るく光るリングで囲まれた部分が地球、黒い地球を遮っているのが月面です。
「かぐや」から見ると地球が太陽の大部分を隠して、ダイヤモンドリングのように見えたことが分かります。


b0076096_1641290.jpg

(画像:JAXA/NHK)



今年は7月22日(水)に日本で日食が起きます。
皆既日食が見られる奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部などでは、
地上からダイヤモンドリングを楽しむことができるでしょう。

残念ながら萩では部分日食(食分:0.86)となり、ダイヤモンドリングを見ることはできません。

[PR]
by hagihaku | 2009-02-20 16:08 | 天体観測室より
番組放映のお知らせ~2/20(金)
毎月一回、私(堀)がNHK山口放送局で県内の海の魅力をお届けしている番組「海中さんぽ」
2月分が明日2/20(金)の午前11:30より「とくもり情報ランチ」内で放映となりました(山口県内のみ)。

今回の番組ではまず、いろいろな海の生き物のおもしろい名前にスポットを当ててみたいと思います。
たとえば、次の漢字はそれぞれ海の生き物の名前ですが、何と読むかわかりますか?

・海苔  ・海豚

   ・海胆  ・海鞘

・海馬  ・海扇

(※ 答えはこの記事の末尾を♪)
    
こんなふうに、「海」+何々と書いて特殊な読み方をするものがいろいろありますよね? 
そういったものの中から、今の時期や山口県にちなんだものをいくつかピックアップし、しっかり納得していただきたいと思います。

b0076096_13101819.jpg
あわせて、萩博物館の海洋部門が3月に開催する・・・
とっておき!珠玉の完全予約制イベントのお知らせがあります。

番組の詳細は下記のとおりです。

とくもり情報ランチ
2月20日(金) 11:30~12:00
NHK(総合:山口県内のみ)
※「海中さんぽ」は、この時間内に7分ていど放映される予定です。


(堀)



【答え】
海苔=のり
海豚=いるか
海胆=うに
海鞘=ほや
海馬=たつのおとしご
海扇=ほたて
[PR]
by hagihaku | 2009-02-19 13:27 | いきもの研究室より
昆虫の差別
b0076096_111957100.jpg
萩市指定天然記念物に指定されている指月山のミカドアゲハ

天然記念物や保護対象となる昆虫は、チョウやトンボの仲間が圧倒的に多いのはなぜでしょうか?
萩市でも市指定天然記念物の昆虫は、やはりアゲハチョウの仲間のミカドアゲハです。
実は、小さなコウチュウの仲間のほうが、もっと貴重で絶滅に瀕している種が多くいるのですが、保護対象には挙がってきません。
b0076096_11212326.jpg
やはり、昆虫にも人気度の差がそこらあたりに関係しているようです。
以前、私が夏の夜に橋の上の水銀灯に集まるゴミムシを採集していると、カブトムシやクワガタムシを採りに来ている親子が不思議そうに私を見つめていました。
特に父親は私に興味津々で、「何を採っているのか」と尋ねて来られたので、「ゴミムシを採っている」と答えると、「ゴミムシ?」と奇声を挙げて笑らわれました。
小心者の私は、恥ずかしさを隠すために、ゴミムシがいかに種類が多くて、珍しいものが採れるかを力説したのですが、この親子にはカブトムシとクワガタムシ以外は眼中にないようで、私はただの変人と認識されたようです。
私は変人扱いされても良いが、ゴミムシを採集することが変人のやることで、カブトムシやクワガタムシを採集するのは良しとされるのは、ゴミムシに対して申し訳ない。













指月山にいる全国的にも貴重なクビアカナガクチキ  


人気者のチョウにしても、成虫であるチョウは大事にされますが、そのお子様となると見つけしだいに殺されるという差別を受けています。
見た目やイメージだけで差別されるのは昆虫にはよくあることですが、人間の平等が云われている時代に、昆虫の平等はまだ早いのかもしれない。

(ムクノキ)
[PR]
by hagihaku | 2009-02-16 11:34 | いきもの研究室より
ルーリン彗星
2月24日ルーリン彗星(C/2007 N3)地球に最接近します。

ルーリン彗星は2007年7月に台湾にあるルーリン(鹿林)天文台で発見されました。
発見された時は太陽から約9億6千万 km(6.4天文単位)で木星よりも遠くにあり、
明るさも18.9等ととても暗いものでした。

そして、だんだんと太陽に近づいていき2009年1月10日に太陽に最も近づきました。
その後、太陽から遠ざかりつつあるルーリン彗星は2月24日に地球の最も近くを通ります。
その距離は約6千万 km(0.41 天文単位)です。
最接近の前後には4等~6等くらいまで明るくなると予想されており、街明かりの影響のない
暗い場所では肉眼で見える可能性があります。双眼鏡を使えば、もっとよく見えると思います。


ぜひ、観察にチャレンジしてみようと思う人は、最接近前後の日付が変わる頃、
南の空の高いところ(高度60°くらい)を探してみましょう。
その頃、ルーリン彗星は、しし座の方向にあります。
再接近前は土星を目印に、最接近後はレグルスを目印に探すと見つけやすいと思います。
ただし、あまり尾ははっきりと見えないと思われます。

もちろん、晴れていれば金曜日の定例観望会「星の会」でルーリン彗星の観察も行う予定
ですので、ぜひ萩博物館へもお越しください。


また、国立天文台では、2月20日夜~3月1日夜まで「ルーリン彗星見えるかな?」というキャンペーンを行う予定です。
携帯電話で参加可能なので、彗星が見えたかどうかをぜひ報告してください。
詳しくはこちら

[PR]
by hagihaku | 2009-02-13 17:50 | 天体観測室より
萩博物館発、節分の話題、余話
「オッ!!」
「オオッ!!!!!」
b0076096_10192124.jpg

旧川上村の山あいの集落、
とある農家の傍の建物です。
屋根から落ちた雪が見えます。

b0076096_1021724.jpg

建物の出入り口、引き戸の上にご注目ください。
ベンガラが塗られた梁上に、「何か」が・・・

b0076096_10261416.jpg

この建物は、駄屋(牛馬舎)として用いられていたようです。
その出入り口梁上に、釘で打ち付けられたこれは何でしょうか。
ご不在だったので、残念ながらこれが何かをお尋ねすることができませんでした。
機織で用いられる「おさ」に似ています。

b0076096_10341511.jpg

アワビの殻です。
貝殻の光る面を、建物の外に向けて釘で打ちつけてあります。
7枚も!

b0076096_10395756.jpg

これは、魔よけと考えられます。
かつて人々は、災いをなすものは、光るもの、トゲのあるもの、たくさんの目があるものなどを苦手とすると考えたようです。

山口県北西部のある地区で、家の開口部にアワビの殻を置くという話しを聞いたことがあります。
ナガモノ(蛇)が入って来ないようにそうする、と説明されました。

やはり、生活文化担当学芸員は、外歩きをせねばと思います。
歩かねば情報を得ることはできません。

歩いて、見て、聞いて、記録する。
そして、それを資料化して次の世代に渡す。
民俗学者の宮本常一さんは、生涯かけてそれを実行されました。

2月14日(土)14:00~16:00、
その宮本常一さんの残された写真群から様々なことを読み解き再発見する
「宮本常一写真講座」が、周防大島町東和総合センター(申し込みは周防大島文化交流センター)で開催されます。

萩市見島で撮影された写真群について、私めもお話しをすることになりました。
ちょっと、お知らせ・・・でした・・・     (清水)        
[PR]
by hagihaku | 2009-02-11 11:39 | くらしのやかたより