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クジラヒゲに描かれた捕鯨船、つづき
本日、1月30日(日)、萩はうっすらと雪が積もっています。
午前8時の気温は-1.5度、先ほどからまた雪が舞い始めました。
昨日までと違い、菊ヶ浜や西の浜に打ち寄せる波の音が聞こえません。
風は吹いているのですが、雪が音を吸収しているのでしょうか。
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「クジラのヒゲに描かれた捕鯨船」の、つづきです。
市内某神社に奉納された絵馬です。
以前、このブログにおいて報告したことがあります。
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煙突から煙をたなびかせ、白波を上げて航走する捕鯨船が描かれています。
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そして、その捕鯨船の煙突に注目すると ・・・ ここにも、一に三つ鱗が描かれています!
ということは、1907年(明治40)に創設された長門捕鯨株式会社の捕鯨船ということになります。
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奉納年は不明ですが、市内鶴江の藤山某(判読不能)さんが奉納されたもののようです。
そして、よくよく見ると右肩に、何やら白い文字が ・・・・
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「神功丸」と読めます、多分。

資料によると、長門捕鯨KKは、東洋漁業株式会社の傭船「神功丸」を購入して操業を開始しています。
購入日は、1907年(明治40)12月4日とされています。
ということで、この絵馬の奉納は、それ以降になります。

東洋漁業KKは、日本遠洋漁業KKを発展解消して新たに創設された捕鯨会社です。
ノールウェーの捕鯨会社の船をチャーターして業績を伸ばしていました。
ちなみに神功丸は、1906年にノールウェーで新造された捕鯨船です。

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ここで再び、須佐歴史民俗資料館の資料です。
長門捕鯨KK捕鯨船とともに描かれているのは、どこの捕鯨船なのでしょうか。

実は、このクジラヒゲには、ほとんど判読ができませんでしたが文字が書き付けてありました。
25年前の資料台帳によると、「仙崎会社」、「第一神■丸」、「第一捕鯨丸」、「三ノ会社」といった文字が確認できたようです。

「第一神■丸」は、「仙崎」に創設された長門捕鯨KKの「神功丸」と考えられます。
そして「第一捕鯨丸」は、資料により、東洋捕鯨KKの捕鯨船名であることが分かりました。
東洋捕鯨KKは、東洋漁業KKが企業合同で発展拡大した捕鯨会社です(ヤヤコシくてすいません)。
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そして長門捕鯨KKは、後に東洋捕鯨KKと合併します。
1916年(大正7)のことです。

須佐町歴史民俗資料館の資料は、その会社合併までの間に描かれたもので、両会社が同じ捕鯨漁場で操業していたことを示すものと考えられます。
「三ノ会社」の文字が疑問ですが、東洋捕鯨KKの社章に、三本の線が入っているということによる表現なのかもしれません。

以上、つい最近の発見でした。  (清水)
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by hagihaku | 2011-01-30 10:19 | くらしのやかたより
「なつかしい日本のふるさと・萩」展の次は・・・
寒さが続いています。
次回企画展の準備にも追われ、なかなか更新ができません。
そんな中、うれしい発見がありましたので報告いたします。
発見は、私たち学芸職員の元気の基です。
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旧須佐町の歴史民俗資料館展示室です。
ぬゎんと、クジラのヒゲ絵馬と、長柄の包丁(クジラ解体用)です。
地元の育英小学校で、1967年に収集していた地域の民俗資料です。
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モクモクと煙突から煙を上げる汽船が描かれています。
そして、舳には大砲が!
そうです、ノールウェー式捕鯨砲を備えた捕鯨船なのです。
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更にこの船と行違うように、もう一隻捕鯨船が描かれています。
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更に更に、ヒゲの先端近くにも、一隻の捕鯨船が描かれています。
3隻もの捕鯨船が描かれた絵馬は初めての確認です。
奉納年月や奉納者名は虫食いで不明ですが、日本における近代捕鯨草創期のものと考えられます。
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1899年(明治32)、汽船とノールウェー式捕鯨砲を導入した日本最初期の近代捕鯨会社が、現長門市仙崎に創設されました。
創設者は萩市福井の岡家を継いだ岡十郎でした。
日本の近代捕鯨先覚者岡十郎とその会社については、次回企画展で充分取り上げたいと思っています。
ということで、この絵馬の捕鯨船ですが・・・どうも、岡十郎創設の会社のそれとは違うようなのです。
煙突に描かれた印にご注目下さい。
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これも、先週末に発見された資料です。
「長門捕鯨株式会社」の罫紙に、肥料用の鯨骨取引について記したものです。
一に三ツ星ならぬ、一に三ツ鱗の社章にご注目下さい。
絵馬の捕鯨船煙突に描かれた印と同じではありませんか!
長門捕鯨株式会社は、1907年(明治40)に創設された近代捕鯨会社で、1916年(大正7)に岡十郎創設の会社と合併しますが、ほとんど資料が残っていないとされていました。
今回、初めて社章が明らかにされました。
そして、この会社や捕鯨船に、萩地域の人が関わっていたことが見えてきました。
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ウン? ・・・ ということは、この捕鯨船は? 煙突の印は??
続きは、また。   (清水)
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by hagihaku | 2011-01-26 18:17 | くらしのやかたより
消防訓練
昨日(1/25)、一緒に館の運営をしているNPO萩まちじゅう博物館の方と一緒に『消防訓練』を実施しました。
消防本部予防課の方を講師に常日頃の防火意識、消防訓練の大切さを学びました。
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消火器取り扱いは「ピン・ポン・パン」
お話も分かりやすく、参加者一同集中して受講。
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屋内消火栓も実際に中を見るのは初めて。
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外に出て、お持ちいただいた水消火器で「ピン・ポン・パン」
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屋内消火栓からの放水も体験。
使うことがないのが一番。
ですが、皆が使えるように、また、きちんと対応できるよう訓練は必要ですね。
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by hagihaku | 2011-01-26 11:35 | 事務局より
雪化粧した博物館
昨日から萩市内はかなりの雪が降っています。

出勤途中、凍りついた道路でなんどか足をすべらせながら、どうにか博物館に到着。

館内を巡回すると、あちこちで普段は見ることができない光景が目にとまったので、シャッターを切りました。

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レストラン(カフェ)のそばにある夏みかんの庭。

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松の木が植えてある主庭園。

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展示室への回廊にかこまれた竹の庭。

萩に暮らして10年ちょっと、雪の恐ろしさはそれなりにわかってきましたが、一面真っ白な景色も風情があって、一興かと思われます。

とにかくみなさん、くれぐれも転んでケガなどしないようにご注意ください。

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by hagihaku | 2011-01-16 11:16 | 歴史資料調査室より
冬の作業風景
b0076096_16284991.jpg萩市内に雪が積もることは滅多にありませんが、新年に入り寒い日が続いています。先日1月7日は萩博物館の中庭も、ご覧のように趣のある雪景色となりました。

冬は海から岸辺への季節風がよく吹くため、絶好の貝殻採集の季節。毎週のようにNPO海洋班のみなさんによる萩付近の海岸での貝殻採集がおこなわれますが、さすがにこう寒いと採集には出かけられません。
こんな日は標本整理です。
b0076096_16301784.jpg萩博物館のバックヤード・生物研究室の前に、萩付近で採集した貝殻標本が採集地別に分けられ、コンテナに収納されています。

熱帯性の貝や珍しい貝、郷土の海の環境変化を伝える上で重要な貝などは引き抜かれ、標本として保存されたり集計に回されます。
b0076096_16305391.jpgそれ以外の「余品」やデータを取り終わった後のものなどは・・・

NPO海洋班の心意気で、来館者が一年中いつでも貝殻採集の擬似体験ができる名物コーナー「ザ・シェリング・バー」(いきもの発見ギャラリー内)に回されるというシステムになっています。
b0076096_1632993.jpg一方、先ほどの標本用に引き抜かれた貝は、NPO海洋班のみなさんが図鑑を一生懸命めくって名前調べを。
それから、名前調べの結果が正しいかどうか、堀研究員の「検閲」を受けます。
b0076096_16325216.jpgその後、私(椋木)が名前や採集データをプリントしたラベルを製作。
そして再びNPO海洋班のみなさんの手で、貝とラベルをチャック袋に、さらにそれをプラスチックケースに収納。
最後に臨時職員がその標本を見ながらパソコンに向かい、データベースに入力して完成となります。

これらの標本とデータの積み重ねこそ、萩の海の豊かさ(生物多様性)や環境変化を示す証拠となるのです。
昆虫標本についても同様の作業をおこなっていますが、私の当面のミッションは、萩博物館にあるすべての生物標本の整理です。

一人、収蔵庫に閉じこもり、おびただしい標本たちに囲まれてニンマリとしていることでしょう。

(椋木)

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by hagihaku | 2011-01-11 16:33 | いきもの研究室より
「なつかしい日本のふるさと・萩」 の、思わず見入ってしまう映像
本日1月7日、萩は雪が降っています。
少し湿った雪で、木々の枝がたわんでいます。

「なつかしい日本のふるさと・萩」展ご紹介の続きです。
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前回、「フネさんとワカメちゃん」の競技の様子をご紹介しました。
これは、フネさんたちの「かけっこ!」です。
お母さんたちは、強くもあるのです。
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役員やお父さん、おじいちゃん?たちの輪(桶・タライのタガ?)くぐり競技です。
皆さん、笑顔笑顔で懸命の競争です。
袴に下駄履きでも、結構早く走ることができるんですね~。
一つの輪を二人が同時に潜ろうとするのですが、も~、ヤンヤヤンヤの拍手喝采!
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園児の兄弟姉妹も参加、手伝いにあたっています。
参加賞を手渡されているのは小学生でしょうか。
お下げ髪にセーラー服は、萩高等女学校の「女学生」さんたちです。
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当時の世情を感じさせる競技もありました。
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日ごろの遊びの延長のような競技も。
「水兵服」「エプロン」「イガグリ頭」の、元気でかわいらしい園児たち。
でも、この映画に写っている園児達の生まれは1930年前後ですから、現在80歳前後!
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楽しい運動会も閉会式、整列して整理体操です。
そして声高らかに万歳三唱。

双葉幼稚園の運動会映像は、今回上映している1930年代映像4本のうちの1本です。
17分余の映像ですが、思わず見入ってしまいます。
観ていて心が穏やかになり、自然と笑みがもれてくる映像です。

寒いこの時季、暖かくなる「なつかしい日本のふるさと・萩」映像に、ぜひ触れてみて下さい。
萩の「まち」で感じることができる「なつかしさ」や「心の安らぎ」の源が、そこにあるように思います。

ここでお知らせです。
明日1月8日(土) 14:00から、私めが、今回の企画展についてのギャラリートークを行います。
よろしければお運び下さい。   (清水)
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by hagihaku | 2011-01-07 11:45 | くらしのやかたより
あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます。
毎年一月元旦に出勤された方で記念撮影、新年に際しての挨拶をブログをアップしてきましたが、今年は本日が初ブログとなりました。

今日は雨模様で、城下町散策をされようと思われた方々でしょうか、博物館にお見えです。
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「お正月は博物館で」がだいぶ定着してきたようで、雪、雨の中、足をお運びいただき、ありがとうございます。

今年もさまざまな「萩」を皆様にお見せできるよう、館員一同頑張ってまいります。
ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

さて、館内の正月飾りをご紹介いたしましたが、意外なところに縁起物を発見!
初夢の縁起物として、「一富士、二鷹、三茄子」といいますね。
常設・歴史展示室にこんな資料が展示されてました。
「3代藩主毛利吉就が描いた富士図」です。
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常設展示室でも少しずつ展示替えをしています。
萩城模型と町並み模型の間の展示ケースは大体3ヶ月に1回資料を入れ替えています。
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今回は寺社の鳥瞰図を展示。
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高杉晋作資料室もほぼ同時期に展示替え、晋作の書簡が展示されています。
そして雛人形も展示中です。
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ご来館、お待ちいたしております。
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by hagihaku | 2011-01-03 13:01 | 事務局より