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「山口県日本海産魚類目録」を発表!
萩博物館は2004年より、山口県水産研究センター下関市立しものせき水族館(海響館)と共同で、「北浦」(萩を含む山口県日本海側)の海洋生物の出現状況の変化を共同研究しています。

このたび、その一環として、過去の膨大な文献資料を追跡調査すると共に、3機関がもつ未発表データを網羅して整理し、「山口県日本海産魚類目録」を刊行しました。

この目録は「山口県水産研究センター研究報告」9号(29~64ページ)に掲載されましたが、漁業関係者の方々、ダイバーの方々、魚に興味のある市民の方々など、どなたがいつでも自由に参照できるよう、下記にも掲載しました。

→ 「山口県日本海産魚類目録」 

この目録では、次の重要な事実についても明らかになりましたので要点をご紹介します。

① 北浦の魚は累計870種!

これまで「北浦は魚が豊富」と漠然といわれてきましたが、その実数が種類にして累計870種にも達することが明らかになりました(39目197科870種)。北浦では約20年前に藤岡(1991)※が300種を報告しておりそれが最多でしたが、このたびの870種はそれをはるかに上回ります。

日本近海全体では3,863種の魚類が知られているので、その約1/4(22.5%)もの種類が北浦に出現していることになります。

日本近海のほかの主な海域と比べると、太平洋側や東シナ海にはおよばないものの、日本海の中では非常に多いことが分かります(図1)。これは、北浦が日本海の南口に位置し、対馬暖流の影響を強く受けていることの表れと考えられます。

※ 藤岡 豊(1991): 山口のさかな,藤岡豊教授退官記念事業会, p. 1-153.


b0076096_903743.jpg図1. 北浦と、日本近海のほかの主な海域との魚類の種数の比較


② 熱帯・亜熱帯性の種類が倍増!

1990年代から2000年代にかけ、確認された種類が大幅に増加しましたが、その内訳をみると、熱帯・亜熱帯性の魚(フエダイ科・チョウチョウウオ科など)の種数が倍増していることがわかりました(図2)。
いわゆる「地球温暖化」との関連は不明ですが、北浦では1990年代後半から海水温が高い状態が続いています。その影響が生態系にも現れていることがうかがえます。


b0076096_91216.jpg図2. 1990年代と2000年代との、出現した魚類の種数と内訳の違い


③ 9種の魚を日本海から初めて確認!

このたびの調査により、次の種類が日本海から初めて確認されました。
タイワンイトマキエイ、カタボシイワシ、ホウズキ、ニジアマダイ、ヒレナガカンパチ、オナガシマガツオ、クロホシフエダイ、ツキチョウチョウウオ、ツマジロモンガラ


この目録のほか、3機関による別の共同研究「2005~2009年の山口県日本海域における海洋生物に関する特記的現象」「日本海産魚類目録(予報)」についても、「山口県水産研究センター研究報告9号」に同時に発表しました。
これらは、この研究報告誌を所蔵している図書館や水産関係機関などで閲覧することができます。

(堀)

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by hagihaku | 2012-02-25 09:02 | いきもの研究室より
皆さん、お変わりございませんでしょうか
2月19日(日)15:00、萩の気温はようやく3℃です。
立春が過ぎても、厳しい寒さが続きます。
そこまで来ているはずの春が待ち遠しく思われます。
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博物館の主庭園です。
昨日から「萩・椿まつり」が始まりましたが、あいにく本日は朝から雪が舞っています。
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エントランスから見える庭です。
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回廊から見る竹の庭です。
この時季は、博物館も萩の「まち」もとても静かです。
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じっくりと展示を楽しむことができる良い季節です。
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レストラン前の夏みかんの樹です。
黄金色の果実が、雪の帽子を被っています。
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週明けには、2014年の開館10周年記念事業の検討を開始します。
さてさて、キックオフのボールは、どちらへ弾んでいくのでしょうか。

まだまだ寒さが続くようです。
皆さん、どうぞお体を大切になさって下さい。    (清水)
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by hagihaku | 2012-02-19 16:13 | くらしのやかたより