城下町萩のひみつの1 ~ 水の都 ~
2016年が明けて半月余、ということは、企画展「城下町萩のひみつ」が開幕して1カ月余り。
今にも雨かミゾレが降り出しそうな中、本日も多くの方々にご来場いただき感謝申し上げます。
いけませんね、ブログの更新が疎かになっています。
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2009年5月撮影の、萩三角州の航空写真です。
城下町萩は、この萩三角州とその周辺に形作られたきました。
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江戸時代終り頃の城下の様子を知ることができる城下町絵図(修正加工)です。
城下町萩においては、この江戸時代の城下町絵図を、現在も地図として用いることができます。
そのことは、江戸時代に形作られた「まち」が、大きく改変されていないことを意味します、
今回の企画展は、なぜ城下町絵図を地図としてつかえる「まち」が今に伝えられのか、その秘密に迫ります。
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萩三角州は、阿武川の下流に形成されました。
川の中州から発達する三角州ですから、当然のことながら、標高は高くありません。
その萩三角州の微妙な「高低差」を表現した等高線図です。
濃い緑色の線が標高1.5~2.0m、オリーブ色系が2.5~3.5mです。
標高4.0m以上が茶色系の色で表現してありますが、三角州最高地点は(指月山は除く)10m未満です。

城下町萩には、水との関連をうかがわせる地名が多数あります。
例えば、入り江や川の向こうと読める「江向」、大川の中の「川島」、川沿いの「河添」、川沿いに湖沼があったとされる「平安湖(平安古)」、沼池の芦原に面して樋門があったとされる「唐樋」、川の中に島として存在した「浮島(土原の一部)」など。
さらには、三角州周辺の川辺の景勝地であった「倉江」、「玉江」、「桜江」、「小松江」、「上津江」、「中津江」、「下津江」、「鶴江」などなど。

城下町萩は、水に恵まれた「水の都」として発展してきました。
そして、恵まれ過ぎると困る水と上手に共生するために、三角州内の微妙な「高低差」を利用してきました。
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三角州内の江戸時代の土地利用を示した図です。
この図と、等高線図、江戸時代終り頃の城下町絵図とを、良く見比べて下さい。
見えてくるものがありませんか?

最も標高の高い一帯に寺院が集まっており、次いで標高が高い一帯が町人地として利用され、それに次いで堀内(堀の内側=城内、萩城三の丸)が毛利藩重臣の屋敷地として利用され、それよりも標高の低い一帯が武家屋敷地として利用されています。
標高1.5~2.0m以下の標高の低い一帯は農地として利用されています。

実は、この標高の低い一帯は、大雨が降った際に、あふれた水が一時的に蓄えられる遊水池として永く機能してきました。
水田やハス田としての利用が続きましたが、この遊水池があったからこそ、そこよりも標高の高い一帯が水の害を免れることができたのです。
なかなか良く考えられた水の都の城下町経営です。

そして、この低湿な遊水池があったからこそ、城下町絵図が地図として使える「まち」が今に伝えられたのです。
それについては、また、次回。

・・・つづく・・・   (清水)
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# by hagihaku | 2016-01-17 14:48 | くらしのやかたより
危険なヒョウモンダコ、今冬も萩近海に出現!
25年(2013)の冬にもこの萩博ブログで紹介し萩博物館で飼育展示した危険な小型タコの一種・ヒョウモンダコが今冬も萩のとなりの長門市油谷川尻に現れましたので紹介します。 

27年(2015)12月25日、長門市油谷川尻の山根正次さんが潜水によるサザエ漁の最中、海底のサザエ殻に入ったヒョウモンダコ1匹(長さ約6cm)を発見し、慎重に採取して港に戻りました。
知人の漁業者に見せたところ、「よく見るイイダコと何が違うの?」といった声が聞かれ、山根さんはこのタコの存在や危険性がまだ十分に認識されていないことを痛感したそうです。
そこで、不慮の事故を防ぐため公共機関からの注意喚起を期待して萩博物館に寄贈されました。

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【採集地】 長門市川尻漁港付近 水深約3m
【採集日】 平成27年12月25日
【採集者】 山根正次さん(長門市油谷川尻在住)

【ヒョウモンダコとは?】
南日本の沿岸にすむ全長5~10cmの小さなタコ。
餌のカニなどを麻痺させて捕えたり敵に反撃するため、口に猛毒をもっています。刺激されると、自分の危険性をアピールして威嚇するため、全身に青色の輪紋を映し出しそれがヒョウの柄のようなので「豹紋蛸」と呼ばれます。
さらに刺激されると相手に噛みつき、口からの猛毒により、人でさえ麻痺や呼吸困難を起こし最悪の場合は死に至ることもあるといわれています。

【萩近海での出現状況】
かつて(2000年より前)は千葉県以南の太平洋側や沖縄だけにいるとされていましたが、近年は海水温が高いためか、福井県以南の日本海側でも確認されています。
山口県日本海側では、萩博物館・山口県水産研究センター・下関市立しものせき水族館(海響館)による共同調査や、山口県萩水産事務所による情報によると、2001年から15年連続で目撃され、目撃数は通算100例を超えます。
近年では卵も観察されているため、近海に定着し繁殖しているものと思われます。今後も出現する可能性が高いため注意が必要です。

【飼育展示について】
ヒョウモンダコはこちらが何もしなければ襲ってきませんし、萩近海ではあまり多くは生息しないと思われます。
しかし、たまたま遭遇しても通常は青い輪紋がなく目立たないため、うっかり触ってしまう危険性があります。特徴をよく認識し、いたずらに触らないことはもちろん、知らず知らずのうちに触れてしまわないよう注意することが重要です。
そこで、このタコの生きている時の形態を広く認識していただくため、下記の通り萩博物館で飼育公開します。

【展示場所】 萩博物館エントランス水槽(無料ゾーン)
【展示期間】 平成27年12月29日(火)~平成28年1月31日(日)
(※ 体調不良時には展示を中止する場合がありますので、なるべく早めのご来館をおすすめします)


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# by hagihaku | 2016-01-06 10:47 | いきもの研究室より
ヨルダン国におけるまちづくり協力の2
そこに住んでいる人にとってはとても当たり前なことが、エコミュージアム(まちじゅう博物館)を推進する上ではとても大切な資源となります。
それに気づくきっかけにしてもらえればということで、サルトの暮らしを支えているオリーブをテーマにした小さな企画展の企画を、サルトの関係者に提案しました。
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ヨルダン国サルト市において訪ねたオリーブの搾油工場には、石のローラーを用いて油を絞っている様子を描いた版画が掲げられていました。
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実は、比較的最近まで稼働していた「現場」がサルト市には存在し、それにともなう「物語」もたくさん伝わっています。
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石のローラーを使う以前の油の搾り方を示す石材が、洞窟住居の前にありました。
まさに「まちじゅう博物館」、サルト市民・関係者の皆さんの掘り起こし成果が楽しみです。
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1967年に、サルト市で初めて搾油機械を導入したという工場の主は(強面ですがとても気の良い人です、人は見かけではありません)、搾りたてのオリーブ油をご馳走してくれました。
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次から次へと、家の畑や庭先で収獲したオリーブが運び込まれていました。
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それぞれの家庭や一族が一年間に消費するオリーブ油は、それぞれに準備するという自給の生活が営まれています。
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精油された自家のオリーブ油を缶に詰める人たちです。
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かつては油缶ではなく、陶器の壺に入れて保存したそうです。
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工場の裏手には、搾りカスが排出されていました。
それらはブロック状に成形して乾燥させ、燃料にしているそうです。
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搾りカスのブロックを燃料とするストーブ、兼オーブンです。
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循環型の暮らしがサルト市にはあります。
その日に市場で仕入れた食材を、その日の内に消費する生活もそうですが、とても豊かな暮らしが息づいているように思います。

その後年末に、学芸員某は第7次派遣のミッションを終え日本国萩市に戻ってきました。
これからは、担当企画展について少しずつご紹介したいと思います。

学芸員 某
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# by hagihaku | 2016-01-02 12:44 | くらしのやかたより
ヨルダン国におけるまちづくり協力
学芸員某は、担当の企画展を12日にオープンさせた直後より、ヨルダン国に派遣されています。
JICAの技術協力プロジェクトへの協力で、今回が第7次となります。
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首都アンマンから北西に約30kmの古都サルト市では、2007年より、萩の「まちじゅう博物館」に倣ったまちづくりが進められています。
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サルト市には、毎日、アンマンから車で通っています。
かつては馬で行き来したとされる丘越えの脇道では、通るたびに様々な発見があります。
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サルト市は(何度も紹介して恐縮ですが)、ヨルダン建国時に首都だった「まち」です。
中心市街地には、1000棟に及ぶ歴史的な建物が密集し、アラブの伝統的な暮らしが息づいています。
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「まち」に数多存在する資源を、市民自らが再発見し、その価値を共有し、そして持続的に観光活用しつつ保全継承する仕組みを定着させるとというのが、プロジェクトの目的です。
今回は、サルト市の博物館において、市民参加で日常生活に関するテーマ展示を開催することに取り組んでいます。
市民による地域資源の再発見と共有を進めようというものです。
ローカルガイド・インタープリターと協議し、今季はオリーブをテーマとすることになりました。
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搾油を目的としたオリーブの実の収穫は、10月から12月中旬までとされています。
最盛期を過ぎて終わろうとしていたのですが、折よく、脇道を走っている際に、家族での摘み取りに出遭いました。
熊手状の道具を使い、髪をすくように実を落とします。
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地中海性気候のサルト市では、昔からオリーブの生産が盛んでした。
一般的にはアジュルンやジェラシュといったヨルダン北部の大量生産地が知られていますが、サルトのオリーブ油は、わざわざアンマンから買い求めに来る人がいるほど美味しいとされています。
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自家で消費するものは、自家の畑や庭先のオリーブでまかなうという家が多数あります。
実に付いた埃を洗い流してくれる10月最初の雨(地中海性気候ではこの頃より雨が降り始める)を、心待ちにする生活が息づいています。
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サルト市内には、市民が摘み取ったオリーブを持ち込む搾油工場が10か所以上あるとされます。
その一社を訪ねたところ(なぜか、萩市においてはお疎かになっているフィールドワーク!)、1960年代まで用いられたいた搾油臼のローラーが置いてありました。
「笠山石!!」に良く似た材質の石材に驚きました。
「火山の石」で、サルトの近郊に産するとのことでした。

(学芸員 某 )
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# by hagihaku | 2015-12-22 12:47 | くらしのやかたより
萩博物館の開館記念日は入館無料 -萩博は11回目の開館記念日を迎えました!-
11月11日の萩博物館の開館記念日は、
どなたでも無料で入館できます。

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現在、世界遺産登録記念企画展「明治日本の産業革命遺産と萩」
大河ドラマ「花燃ゆ」放送に合わせた特設展示「兄松陰と妹文」を開催中です。
また、館内ミュージアムショップ、レストランをご利用の方にはプレゼントを用意しています。

1 と き 11月11日(水)午前9時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)

2 ところ 萩博物館

3 内 容 当日は萩博物館にお越しいただいた全ての方が無料で入館できます。
(通常は大人510円、高校・大学生310円、小・中学生100円)
*駐車場の利用は、萩市民は無料です。
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4 レストラン・ショップでのプレゼント内容(NPO萩まちじゅう博物館が運営)
・レストラン 食事をされた方にコーヒーを提供
・ショップ  ご利用の方全員に「文さん直筆(兄松陰の和歌)ハガキ」をプレゼント
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5 経 緯 
萩博物館は、平成16年(2004)11月11日に「萩まちじゅう博物館」の中核施設として開館しました。この日は、毛利輝元公が萩城に入城した記念の日に当たります。萩の地が毛利公のもと、新しい国づくりの歴史を歩み始めたその日から400年の歳月を経て、萩市は「まちじゅう博物館構想」(03年10月策定)による新しいまちづくりに取り組んでいます。

6 参考(会期中の企画展等)
・世界遺産登録記念企画展「明治日本の産業革命遺産と萩」(9/19~11/29)
  本企画展の来場者数(10月末)15,044人、
うち10月の入館者数は9,516人(前年度比175%)
・特設展示「兄松陰と妹文」(~来年9/4)
  昨年11月8日の開幕後、今年10月10日に来場者数が累計10万人を突破


*昨日までの雨模様がうそのように、今日は晴天に恵まれています。
正面玄関のある前庭では、タチバナの実もたわわになって色鮮やかにお客様をお迎えしています。

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# by hagihaku | 2015-11-11 10:28 | 事務局より
10月11日は萩から列車で珍しい魚さがしへ!(2015.9.30)
夏が終わり、秋らしい気候になってきました。
b0076096_11454453.pngこの夏、約200人もの親子の皆さまが参加され大人気・大盛況となった特別列車「萩びーびートレイン」で行く「萩・海の学びトレインツアー」
そのシリーズ第6回目が10月11日(日)に開催されます。

応募締切10月4日(日)まであとわずか!まだ残席がありますのでご応募はお早めに!

今回は「熱帯魚ウォッチングコース」
え?萩で熱帯魚?・・・と思われるかもしれません。

b0076096_11461055.jpg日本海・山陰に位置する萩ですが、ここには南の海から対馬暖流が流れてきます。
もともと南の海にすんでいるいろいろな魚の卵や子どもがこの海流に乗って萩までやってきて、そこそこ水温が高い夏ごろまでにすくすく成長します。
そして、ようやく人々の目に見えるサイズになって萩の海を泳ぎまわっている時期・・・それがなのです。

b0076096_11464041.jpgそれらの魚の中には、サンゴ礁を泳いでいるようなカラフルないわゆる「熱帯魚」も混じっていることがあります。
そうした魚が見つかるかもしれないという可能性に賭け、さまざまな魚を探したり観察・採集したりしようというツアーです(網のほか、希望者は水中メガネも使用の予定)。

目的地は、夏のトレインツアーでも行った萩市の北東部の須佐
須佐名物の遊覧船での海めぐりや、「漁師のおかみさん手作り料理」までセットになった、秋の海をまる1日かけて楽しみ学べるスペシャルツアーです。

【行程】
  萩博物館9:00~9:30集合→(送迎バス)→東萩駅10:00ごろ→(特別列車「萩びーびートレイン」:車内イベント・クイズ)→10:45ごろ須佐駅→(送迎バス)→須佐湾遊覧船→(送迎バス)→昼食(「漁師のおかみさん手作り料理」)→(送迎バス)→磯で魚ウォッチング&採集→(送迎バス)→須佐駅16:00ごろ→(特別列車「萩びーびートレイン」)→17:00ごろ玉江駅→(送迎バス)→17:00すぎ萩博物館駐車場

【とき】 平成27年10月11日(日) ※小雨結構(荒天中止)
【参加費】 大人3,800円、小人2,700円 
  ※ 列車運賃、昼食、遊覧船、現地活動費などを含みます。※ 小人:3歳以上 小学生以下
【対象】 どなたでも(ただし小学生以下は保護者同伴、保護者1 人につき小学生以下2 人まで)
【定 員】 40 名(応募多数の場合は抽選) ※最少催行人員30 名
【同行者】 ツアー実行委員会スタッフ  
【旅行会社の添乗員】 なし
【食 事】 1回(萩市須佐の「漁師のおかみさん手作り料理」)
【持ち物】 ぬれてもよい服装・靴、着替え、タオルなど。くわしくは当選者にご連絡します。
【申込方法】10/4(日)までに次の項目を往復ハガキかE-mail に書いて下の申込先にお送りください(必着)。
  ①参加希望の日にちとツアー名(整理のため)
  ②参加者全員のなまえ・フリガナ・年令・学年・性別
  ③確実に連絡がとれる保護者の電話番号・住所・メールアドレス(E-mailで応募の方)。
   10/7(水)までに抽選の当否をご連絡し、当選者にはくわしい内容を記した資料もお送りします。
【往復ハガキでの申込先】NTA トラベル萩本店 トレインツアー係 
   〒758-0025 山口県萩市土原165-1 (TEL 0838-21-0020)
【E-mail での申込先】 萩・海の学びトレインツアー実行委員会 事務局(萩博物館内)
  E-mail: muse@city.hagi.lg.jp( 〒758-0057 山口県萩市堀内 355 TEL:0838-25-6447)
【問合先】 上記の申込先のいずれかへ

そのほかの情報は萩博物館ホームページへ http://www.city.hagi.lg.jp/hagihaku/


この秋、ホンモノの萩の海の魅力をリアルに楽しみ学べる、たいへん貴重なチャンスです!
この機会をお見逃しなく!


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# by hagihaku | 2015-09-30 11:38 | 催し物のご案内
列車で海を楽しむ「萩・海の学びトレインツアー」、10月4日も発車!(2015.9.23)

世界遺産や大河ドラマで注目を浴びる幕末維新の歴史の町・。この萩の町で、ちょっと異色で、秋の行楽にピッタリのツアーが「発車」します!


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「萩・海の学びトレインツアー」
ちょっと長い名前ですが、要するに、「トレイン」(列車)に乗って、萩の「海」をたっぷり楽しみ「学ぼう」という日帰りツアーです。
ツアーは計7回のシリーズになっていて、「萩の海」をテーマにしながらも、回によって行先や目的が変えてあります。すでに8月に4回おこない、いずれも参加希望者が定員をオーバーするほどの大盛況・大好評。そして第5・6回目が10/4(日)と10/11(日)に開催されます。

くわしくは こちら→ http://www.city.hagi.lg.jp/hagihaku/event/1508BBtrain/image/akifuyutorein.pdf

そのうち、10/4(日)の回の応募締切が9/27(日)まであと3日と迫ってきました!
そこで今回は、その10/4(日)「まちじゅう博物館コース」についてご案内したいと思います。


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このツアーを牽引するのは、タイトル通り、トレイン(列車)です。その名も「萩びーびートレイン」

「びーびー」とは、萩で「魚」をさす子ども言葉。大人同士でももちろん結構ですが、特に親子連れの皆様に楽しんでいただければとの思いで名づけられたトレインです。

当日、このようなヘッドマークをつけたトレインが萩のとある駅にあらわれ、あなたを萩トップクラスの「海のパラダイス」へとお連れします。

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「萩びーびートレイン」にただ乗って、ゴトゴトと走って行くのではありません。

車窓から美しい萩の海の風景を「かぶりつき」で鑑賞していただくのはもちろん、ワクワク・ドキドキの車内イベントやトークショーも。
司会は・・・今夏、萩博物館の特別展やイベントをチェックしていた方々ならおなじみの、あの人物です。さらに、途中の駅から「海からやってきたナゾのキャラクター」が乗り込んでくるとのうわさも・・・
まさに列車は「動く美術館」&「動くイベント会場」と化します。

・・・と、「萩びーびートレイン」がたどり着く先は、萩トップクラスの「海のパラダイス」・須佐という場所。ここであなたが目にするのは・・・

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ドドーン!と海辺にそびえる異形の断崖!

画面を下までたどって見てください!
比べてください、下に立っている人々と。
高さ約15mもあります!

まるでチョコレートとクリームが重なりあった巨大なケーキ。
まるで異星に降り立ったかのような不思議な光景にあなたは圧倒されるはず。

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須佐のシンボルといわれる「畳岩」です。

この畳岩、いったい何でできているのでしょう?
いつ、どうやってできたのでしょう?
どうしてこんな海辺に?

しかも・・・おっとっとっと、危ない!海に向かって傾いています。
いったいここでいつ何が起こったの!?

次から次へと湧き上がってくる疑問や謎を、耳から聞くだけでなく、目や手や足も使って分かりやすく楽しくお伝えします。

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須佐は奇妙な岩がいくつも立ち並ぶ、「ジオ」(大地や地質を指す言葉)のテーマパーク!

須佐湾遊覧船に乗って、海からジオクルージング!
「遊覧船」とはいえ、ホンモノの漁船に乗って高速でガンガン勇ましく外洋に出ていきます!
その先には高さ100mもの絶壁!
そしてその向こうには暗黒の洞くつがぽっかり口を開けています。

まさかこの洞くつに・・・?


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もちろん!入ります!
漁船ごと頭から、容赦なく洞くつに突っこみます!
一般的なイメージの「遊覧船」とはかけ離れた、超・アドベンチャー。
洞くつの中の天井には、とある生物の「アジト」があるといううわさも・・・

(※海の状況によっては洞くつに入れない場合や、船が外洋まで出ず内湾コースに変更となる場合もあります。)

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こうして、ダイナミックで躍動的な須佐の海のジオアドベンチャーをたっぷり堪能していただきます。

が、ツアーの途中で、「高山」(こうやま) という山の山頂まで送迎バスでお連れしたいと思います。
写真をみるとなだらかで優しい形の山に見えますが・・・なんと、高さ532.8m!

須佐の「まち」はもちろん、さっき遊覧船でめぐったジオの芸術品の数々が一望できる大パノラマを楽しんでいただきます。
そしてこの山頂には、ある不思議な性質をもった「パワーストーン」 (!?)が鎮座しているそうです。
その正体とは?そのマジックパワーとは?ご期待ください!


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これだけのポイントをめぐると、まる1日かかりそうですし、お腹もすきそうですね。
ですので、もちろん須佐ならではの名物のグルメもセットになっています。

須佐といえば、おいしいものがいくつもあるのですが、中でもイカが有名(ブランド名「男命イカ」(みこといか))。

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お昼には、これを使ってイカ飯づくり体験をしていただきましょう!
その後、イカ飯が炊きあがるのを待ちながら、山口県漁協須佐支店女性部のご協力による「漁師のおかみさん手作り料理」を楽しんでいただきます。
(イカ飯のほか、イカのあげもの、トビウオのつみれ汁、ひじきの煮もの、須佐の天草の寒天など)

このように萩市北東部の須佐は、美しい海、奇妙な岩、洞くつ、絶壁、おいしいイカ・・・など、海の魅力がずらりと並んだ「まちじゅう博物館」!それを1日かけてめいっぱい楽しみ学んでいただこうというグルメ&アドベンチャーツアーです。

ファミリー(親子連れ)向けですが、もちろん大人の方だけでも、どなたでもご応募いただけます。
参加費、応募方法、応募先など詳しい情報については、こちらからご覧になれます → http://www.city.hagi.lg.jp/hagihaku/event/1508BBtrain/image/akifuyutorein.pdf

この10/4「萩・海の学びトレインツアー まちじゅう博物館コース」の応募締切9/27(日)まであと3日。どしどしご応募ください!

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最後に一つ。
このツアー、なんと!
帰りの列車の窓から・・・世界遺産(明治日本の産業革命遺産「萩反射炉」)までご覧になれます!

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# by hagihaku | 2015-09-23 17:09 | 催し物のご案内
萩博物館「べっぴん!美形いきもの帳」終了!展示のおわりに
山口県萩市の萩博物館にて7/4(土)~9/6(日)まで65日間にわたって開催してきた夏の特別展「べっぴん!美形いきもの帳」が、おかげさまで先週の日曜に無事に終了しました。
大勢の皆様にご来場いただきましたことを、萩博物館スタッフ一同、御礼申し上げます。

この展示の締めくくりとして、来場者数や、来場者アンケートからの集計結果を抜粋してまとめ、発表したいと思います。

会期65日間の 来場者数:33,978人

・過去の夏の来場者数の平均の90.3%
※ 当館の開館以来11年間における夏の展覧会の開催期間中の来場者数の平均は37,645人

・展示への満足度91.9% (調査以来1位
※ アンケート回答者(1,968人)のうち、展示の内容・つくりに「満足」と回答した人の割合。平成23年からの調査5年間の平均は90.2%

・おもてなしへの満足度79.1% (調査以来1位
※アンケート回答者(1,881人)のうち、館内のスタッフの接客・対応に「満足」と回答した人の割合。平成23年からの調査5年間の平均は74.0%

・リピーター率30.0% (調査以来1位
※アンケート回答者(2,120人)のうち、「毎年夏に当館に来ている」と回答した人の割合。平成23年からの調査5年間の平均は13.8%。

・来場者の萩での目的:
 本展のみ33.3%、本展+萩しーまーと18.5%、本展+世界遺産関係17.4%、本展+大河ドラマ館16.8%、本展+その他(菊ヶ浜海水浴場、萩城など)14.1%
※ アンケート回答者(2,161人)のうち、「この展示と共に訪れる(訪れた)萩市内の場所」として選ばれた場所とその割合。今夏のみ調査。


まず、総来場者数33,978人というのは萩の人口約5万人の70%に迫るかなりの数ではありますが、昨夏の展示会よりは少なく、また、ここ数年の当館の夏の展示会としてはやや控え目。

この夏、萩では松下村塾など5箇所が世界遺産「明治日本の産業革命遺産」へ登録され、少し前からは萩を舞台とした大河ドラマ「花燃ゆ」が放映され、萩への注目度が上がっています。そのため、萩にはこれまでの年と比べてたいへん多くの観光客が訪れています。

そういう時こそ、歴史遺産に次ぐ萩の「第2、第3の魅力」として、萩の美しい自然や生きものを知っていただきたい!とのメッセージもこめて開催したのが当館の夏の特別展「べっぴん!美形いきもの帳」でした。

しかし、上のデータから分かるように、今夏の展示会は、常連の皆様のリピート率や展示の中身やおもてなしへの満足度は調査以来 最高となったことは大きな成果でしたが、「来場者数」には反映しなかったようです。また、歴史めあての観光客が当館そのものへ来館されることが大いに期待された夏でしたが、多くの方々は当館よりも同じ萩市内でも松下村塾や萩反射炉などズバリ世界遺産!たる場所を目指されたようです。こうしたことが今夏の来場者数に影響したものと思われます。

ただ、5番目のデータから分かるように、世界遺産や大河ドラマと合わせて今夏の展示会を見に来られた方々も各々約17%ずつおられました。今夏の来場者数に換算しますとおおよそ5千人以上になります。

歴史遺産をめあてに萩に来られた観光客の方々が、その足で少しでも今夏の展示会をご覧になり、萩の美しい自然や生きものの存在に気づいていただけたとすればたいへん嬉しいことです。
その方々が、次回は子どもや家族を連れて再び萩を訪れ、今度は萩の海と大地をめいっぱい使って探検や発見をしてみたい・・・そう思ってもらえるような、「萩まちじゅう博物館・自然バージョン」の転機となれば幸いです。

最後に、来場者アンケートで「毎年夏に当館に来ている」と回答してくださった「リピーター」「常連」の皆様が、昨夏までは13%ぐらいの割合だったのですが、今夏いきなり30%にも跳ね上がったことに驚くと共に、リピーター・常連の皆様に心から御礼を申し上げます。
アンケートにおいて、今夏の展示にお褒めの言葉を書いてくださった方がたくさんおられましたが、「××の部分はこうした方がいい」と具体的にご指摘くださった方もおられました。私達は、そうしたご意見を決して放置することはありません。どうすればご期待にお応えできるかしっかり考え、必ずクリアーし、来夏は、さらに一歩進化した萩博物館の夏の展示会をお見せすることをお約束します。

萩博物館の来夏の展示会のテーマは・・・
今夏がどちらかというと「おしとやか」系(!?)だったので、来夏はドーンとインパクトのある躍動的なもの!?・・・それは、また改めてご報告したいと思います。

引き続き、萩博物館は明日9/19(土)より、世界遺産登録記念企画展「『明治日本の産業革命遺産』と萩」に移ります。どうぞご期待ください!

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# by hagihaku | 2015-09-18 17:59 | 企画展示室より
ひそかなオススメ②~「べっぴん!美形いきもの帳」(~2015.9.6)
明日9/6で閉幕予定の萩博物館「べっぴん!美形いきもの帳」展から、展示担当者の堀よりひそかなオススメの展示物をこっそり紹介。その第2段、海洋生物編です。

b0076096_17545511.jpgこのたびの展示のタイトルにもなったアマダイの一種「べっぴんさん」。
アマダイ漁の基地・萩ならではの展示物です。
1980年代まで萩の漁船は東シナ海まででかけてアマダイをとっていました。
そのころ、現在一番よく食べるアカアマダイでもない、珍しいシロアマダイでもない、第3の種類が中国の長江の河口沖あたりに生息しており、萩の漁業者の方々はそれをよく漁獲していたそうです。

その体は白く、目のあたりに化粧をほどこした妖艶な女性のよう。そこで、この魚は「べっぴんさん」と呼ばれるようになったといいます。

その後、まぼろしの存在となってしまいましたが、2000年に入ってから対馬海峡東水道でとれた貴重な1尾の資料をもとに、現・山口県萩水産事務所の天野さんのご協力により、復元剥製として展示しています。

見れば見るほど「べっぴん!」な魚です。ぜひご覧ください。


b0076096_17555594.jpg展示室のある場所の黒いのれんをくぐると・・・
突然 目の前の上空にヨシキリザメが現れます!
ミュージアムパーク茨城県自然博物館のご協力による剥製展示です。

陸上生物編で紹介したクロヒョウと同様、獲物を狙って接近する姿の「美しさ」。
とりわけサメは高速で泳ぐため、もとから美しい流線形の体をもっています。

サメを「美しいもの」として見ることなどめったにないでしょう?
明日まで、展示会場でその美しさをたっぷり堪能していただけます。


b0076096_1756491.jpg展示会場には水槽による飼育展示もあります。
大人気のミノカサゴ、白いナマコ、通称「ウズマキ」と呼ばれるタテジマキンチャクダイの幼魚などを飼育展示していますが、閉幕間近の9月に入ってから、ニューフェイスが入りました!

その名も美しい、サクラダイ(桜鯛)です!
旬の時期のマダイも「桜鯛」と呼ばれることがありますが、こちらはもともと標準和名でサクラダイ。
若いころはメスで体がオレンジ色がかっていますが、成長すると一部がオスに性転換し、赤色地に吹雪を散らしたような純和風の美しい魚になります。

展示しているものはメスですが、左の写真の上方を泳いでいるオレンジ色の魚・・・ではありません。
中央の岩の右上に、魚の背びれのトゲらしきものが数本見えているのがわかりますか?
そう、これがこのたびのニューフェイスのサクラダイのメス。
とてもシャイな魚で、ひたすら岩の陰に隠れています。

じゃあ見れなくてダメじゃん!といわれるかもしれませんが、少し慣れてきたようで昨日あたりから表に泳いで出てくるようになりましたのでぜひ目撃してください!

萩市のとなりの阿武町の宇田にて、宇田在住の波田野さんがつり上げて当館に寄贈してくださいました。
ちょうど飼育展示の準備が整ったので、数日限定でこの水槽で飼育展示しています。


b0076096_17573396.jpgお次は珊瑚(さんご)です。
珊瑚といえば、沖縄など南の浅い海にすむサンゴを連想しますが、展示しているのはそれらとは体のつくりが違う、深海にすむモモイロサンゴです。

深海に網をさげて採集され、磨いたり加工したりされ、古来より宝石として重宝されてきました。
アクセサリー型になったものはときどき目にすると思いますが、加工される前の、まだ枝のような骨格の全形が残っている姿を前に、奥ゆかしい、内からにじみ出る「美」をじっくり味わってください。

b0076096_15422326.jpg萩博物館の夏の展示会では、ところどころに「のれん」が下げてあり、行く先に何が登場するかわからない工夫をしています。

その「のれん」をくぐった来場者の皆さまが「うわぁぁぁ~っ・・・」と感嘆の声をあげる展示物。
そのナンバー1ともいえるのが、この色とりどりの美しい貝。

檜(ひのき)の扇のようなのでヒオウギと呼ばれる二枚貝です。
よくもまぁ、丁寧にひとつひとつ色を塗りましたね?・・・と言われることがありますが、とんでもありません、一切 色など塗っていません。この貝本来の色なのです。当然、海にすんでいるときは表面にいろいろな付着物がついていますから、それを取り除いたもの。
同じ種類でもオレンジ色、黄色、紫色、茶色・・・と変異があります。

会場のどこかで、のれんをくぐったら突然 花火のようにこのカラフルな貝たちが姿をあらわしますので、ご期待ください。

b0076096_15423489.jpgしっとりと立ち並ぶ美しく繊細な巻貝。

西洋で「ビーナスの櫛(くし)」と呼ばれる貝です。
日本ではもっと現実的(!?)に「骨貝(ほねがい)」と呼ばれています。

この貝も加工などしていません。この姿で、海底の砂地をはって暮らしています。
自然の造形美をじっくりご堪能ください。

b0076096_15424664.jpgこれまた花火のように美しく散らばる貝たち。

ショウジョウガイ(猩々貝)のなかまです。
中央の大きいものは幅10cm以上もある正真正銘のショウジョウガイ。
まわりの白い小さなものはミサカエショウジョウカズラという種類。

先に紹介したホネガイと同じように長いトゲが何本も生え、いかにも海底にいるとき敵を寄せ付けないのに役だっていそうです。
・・・が、案外そうでもない、このトゲには別の役目があるのでは?とも言われているそうです。その秘密は展示会場のパネルに書いてありますのでぜひ確かめてください。

b0076096_15425854.jpg誰もが認める美しさ。「海の宝石」といわれるタカラガイ(宝貝)のなかまです。

私たちが一生懸命みがいたりニスを塗ったりして光沢を出したのではありません。
これも、もともとの色とツヤなのです。なぜこんなにツヤツヤして美しいのか・・・それは展示会場のパネルでお確かめください。

私は小学4年のころ、どこかでタカラガイがたくさん並べられているのを見て、「うわわわわ~!すごい!これ、ほしい!ほしい!」と心から思ったことがありました。
あのときの気持ちを呼び起こし、今の子どもたちが同じように「わっ!すごい!ほしい!」と思ってくれるようなレイアウトを目指しました。
私の無茶な指示を受けて、タカラガイを何百個も並べさせられたスタッフがたいへんな思いをしたのは言うまでもありません。

b0076096_1543894.jpgこの展示コーナーのタカラガイの中で、私が特に気に入っているものがあります。

それがこちら、展示の手前あたりにある黒光りする少し大きめのタカラガイ。
オーストラリアの一部にしか生息していないロッセルダカラという種類です。

この貝、全体が黒色ですが、丸みを帯びた部分に向かって紅茶のような上品な色がかかり、さらに頂上が白い光彩のような模様があります。黒い部分が多いほど高い金額で取引されると聞いたことがあります。

b0076096_15441066.jpgタカラガイの展示の近くに、さまざまな貝のコレクション展示があります。

「貝を集めることに興味をもつということは、百万長者に生まれることよりも幸せといえるのでは!?」とまで言った人がいるほど、貝は色や形が美しいため、昔から多くの人々を魅了し、コレクションにかきたててきました。

「ある貝コレクターの標本棚」・・・というシチュエーションを想像して、色や形が特に美しい貝を厳選して並べた展示です。貝の美しさをじっくりとお楽しみください。

b0076096_15435352.jpg「ある貝コレクターの標本棚」的展示の中に、もちろんひそかに私が気にっている貝があります。

それは、何年か前にも海に関する特別展を開催したときに当・萩博ブログで紹介したことがあるナンヨウクロミナシ(南洋黒身無)

私は小学生のころ、ある辞典(図鑑ではなく)の「貝」のページに他の貝とともに載っていたこの貝の斬新でショッキングな美しいデザインに感動し、この貝は当時ぼちぼち萩近海で貝を集めていた私にとって「この世で一番ほしい貝」の座にのし上りました。

ナンヨウクロミナシとか、何々クロミナシといった種類がいくつかあるのですが、南太平洋のニューカレドニア島近海にすむ種類がいて、地色が黒のところ、オレンジ色のものがいるのです。
つまり、鮮やかな夏ミカンのようなオレンジ色に白い三角形の斑紋がたくさん並んでいる・・・という具合です。
それは飛びぬけて激レアで、めったに入手できないコレクター垂涎の貴重品!
実はその貴重な標本も、このたびの「ある貝コレクターの標本棚」的展示の中にそっと入れてあります!

写真ではお見せすることができません。ぜひ明日9/6、展示会場に来て、皆様のその目でお確かめください。

b0076096_15442529.jpg最後に一品。
ひときわ鮮烈な貝をご紹介したいと思います。

ご覧下さい!この世のものとは思えないこの貝!

ハマグリのような形の二枚貝ですが、縁に美しいトゲがビッシリ生えています。
すさまじいインパクトです!

この貝、名前もそれ相応のすごい名前がついています。
その名は・・・ マボロシハマグリ

国立科学博物館のご協力により展示しているものです。
このすばらしい貝の美しさにも、この貝が生きていく上での理由、ひみつがあります。それはぜひ展示会場にてお確かめください。


以上、明日9/6の1日で閉幕を迎える萩博物館の27年度夏期特別展「べっぴん!美形いきもの帳」から、展示担当者の堀がひそかに気に入っているオススメの展示物を紹介しました。

本展の閉幕日の明日9/6は通常通り、朝9:00に開館、16:30まで入館受付、17:00に閉館・閉幕となります。
最後の1日をこの世の美形いきものたちとお過ごしください!

(堀)

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# by hagihaku | 2015-09-05 17:00 | 企画展示室より
ひそかなオススメ①~「べっぴん!美形いきもの帳」(~2015.9.6)
萩博物館の27年度の夏の特別展「べっぴん!美形いきもの帳」(2015.7.4~9.6)は今日と明日の2日で閉幕となります。
閉幕前日の今日は朝から多くの親子連れの方々が展示をご覧になっています。

さて、この展示が終わる前に、最後の最後のぎりぎりになってしまいましたが、ここであえて、展示担当者の私(堀)から、とっておきのオススメ展示物こそっと紹介したいと思います。

どれも、チラシ、テレビCM、新聞・テレビ取材などで紹介されることが少なかったもの、または、全く紹介されなかったながらも、展示担当者がひそかに「これを展示できてよかった~!」と、格別の思いのある展示物ばかりです。

明日の閉幕までに萩博ブログのこの記事に気づかれた方・・・明日9/6の16:30入館まで間に合いますので萩博物館へどうぞ!

b0076096_14282370.jpg私がこっそりご紹介したいひそかな自慢の展示物・・・
・・・そのひとつ目。

萩博物館の企画展示室の白い壁に、しっとりと孤高に映る鳥の影。
・・・その持ち主は・・・?

b0076096_14284288.jpg白い孔雀のオスです。
インドクジャクという孔雀の一種ですが、当然、この種類のノーマルなオスは鮮やかな青や緑に飾られた、皆さまご存じのあの妖艶な孔雀です。

が、自然界は本当に不思議なもので、このような真っ白なものが生まれてくることもあるのです。
色素の欠乏による「アルビノ」ではなく、大昔 地球が寒くて白い雪や氷が多かったころに生きていくのに適していた、体を白くする遺伝子が現代でも現れた「白変種」と考えられます。

全身が均一に白いもんですから、羽根の繊細なテクスチャや凹凸や陰影だけで、それはそれはみごとな「美」を演出してくれています。

国立科学博物館より借用して特別に展示している貴重な剥製です。
近くに、青や緑に飾られたノーマル型のインドクジャクの剥製(協力:光市文化センター)も展示していますのでぜひ見比べてください。

b0076096_14285523.jpg私がひそかに演出にすごくこだわったコーナー。

オスが美しいキジのなかまの鳥5種類が勢ぞろいした展示。
私はかってに「美形キジファイブ」と呼んでます・・・

右端に日本の「国鳥」のキジ、そして左に向かってアジアの珍しく美しいキジのオスたちが「美」を競うように並んでいます。

b0076096_1429141.jpgそんな「美形キジファイブ」の中に、
文字通り「金」の「鶏」と書くキンケイ(金鶏)、
「銀」の「鶏」と書くギンケイ(銀鶏)、
さらにそれらがかけ合わさったキンギンケイ(金銀鶏)
・・・という美形のキジ軍団が。

そんな中で私がひそかにお気に入りなのは・・・左の写真のギンケイ(銀鶏)。
当然、キンケイは文字通りゴージャスな金色に彩られて神々しく輝き、
キンギンケイは珍しいレアな存在であるという点でひときわ存在感のある鳥です。

一方、ギンケイは両者のはざまでやや控えめな存在なのですが・・・
なかなかどうして、派手すぎず、輝きすぎず、ブルーグレー系にびしっと決めたクールな「美」を放っていて、私はなぜか一目置いてしまうのです。

このギンケイ、そしてキンケイとキンギンケイの剥製は、岡山県津山市のつやま自然のふしぎ館のご協力によりこのたびの展示が実現したものですが、
お借りして当館で展示して初めて気づいたのですが・・・美しいギンケイのオスが得意そうにとまっている台木の裾の左下をご覧ください。ここに、ギンケイのメスがいたのです!
色がよく似ているので、私はてっきり木の一部かと思っていました。

オスはメスの気をひくために美しく着飾っていますが、このようにメスは地味な茶色。
このギャップも、閉幕までにしっかり見ていただきたいものです。

b0076096_14292820.jpg私のお気に入りの次なるものは、チョウの展示。

先日、もう一人の展示担当者の椋木専門員に一足先に紹介されてしまいました・・・

が、昆虫専門でない私にとっても、翅が透明なスカシジャノメや、黒地に鮮やかな青や緑の斑紋をもつクジャクアゲハ、深い深い海のようなシックな紺色のマルバアカネアゲハ、そしてピンクと黄緑をあしらったメルヘンチックなミイロタテハは存在自体が「芸術」です!

博物館らしからぬ、美術館のようなスタイルで展示を!ということで椋木専門員と何日も何日も展示方法を論議したのを懐かしく思い出します。

b0076096_14294691.jpg次は「世界一美しいカタツムリ」といわれるコダママイマイ

「でんでんむし」の歌で知られる、どちらかというとおっとりしたイメージのカタツムリですが、カリブ海のキューバにはこんなに派手でインパクトのあるカタツムリがいるのですね。

左の写真のように、同じ種類でも個体によってこれほどにまで色が違うのです。

b0076096_1430126.jpg陸上生物からの最後は・・・
クロヒョウ。つやま自然のふしぎ館の協力により展示が実現しました。

「美しい」いきものを特集した展示会なのに、なぜ猛獣がいるの?ちょっと強引じゃない?という声があがりはしないかと少し気になっていたのですが、私の期待はいい方に裏切られました。

ご来場くださった3万人の皆さまは、クロヒョウをはじめとする猛獣や猛禽類、肉食動物たちの「美しさ」にもちゃんと気づいてくださったようです。
そう、ひごろはべた~っと寝そべっているヒョウも、いざ獲物を見つけ、接近し、襲いかかろうと、鋭い目つきで一点を見つめ、肩や腿の筋肉にグワッと力をいれ、戦闘態勢に入ったその姿は・・・
ゾッとするほどの「美しさ」を発揮するのです!

いきものは、生きるために一生懸命何かを追い求めたり、生き生きと活動している姿こそ、もっとも「美しさ」を発揮する!
・・・これこそ、私がこの展示会で皆様にお伝えしたかったことのひとつです。

引き続き、次の萩博ブログ記事では、私のひそかなオススメ・・・海洋生物バージョンをお届けしたいと思います。

(堀)




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# by hagihaku | 2015-09-05 15:36 | 企画展示室より