7/25(土)の昼すぎ、萩市河添の河川公園にて、アザラシらしき動物がいるとの連絡が萩博物館に入りました。 すでに報道などでご存知の方も多いと思いますが、当館にも多数の問合せが来ていますので、ここで情報をまとめてお知らせしたいと思います。 なお、この情報は、下関市立しものせき水族館・海響館(展示部海獣展示課:立川利幸班長)からの助言や情報提供を踏まえて掲載しました。ここに記して立川さんに御礼申し上げます。 写真撮影: ↑1枚目:NPO萩まちじゅう博物館 久保田理事長・景由理事 ↓2~4枚目:NPO萩まちじゅう博物館学芸サポート古写真班・木村 登氏 あらわれたアザラシの和名はアゴヒゲアザラシ(顎鬚海豹)。 もともと北極海やベーリング海、オホーツク海にすむという、「北の民」。 本来の生息地では、海にもぐって海底のカニ・エビ・貝などをとらえて食べたり、タラなどの底魚を食べて暮らしているそうです。 そんな「北の民」が・・・ 対馬暖流の影響を受け最近では熱帯魚やらサンゴなどがポツポツ現われることもあるという萩にあわわれ、川辺でのんびり寝そべっている・・・なんとも異様な光景です。 アゴヒゲアザラシは2002年に東京都多摩川(愛称「タマちゃん」)、2005年には徳島県那珂川にも現れています(愛称「ナカちゃん」)。 ほかにもいくつかの出現例がある可能性がありますが、今回の萩市での例は西日本では珍しいことです。 ただ、ほかのアザラシもふくめていえば2002年に宮城県伊里前川にワモンアザラシ(愛称「ウタちゃん」)が現れたり、山口県近辺でもゴマフアザラシが萩市見島(2006年)・宇部市真締川(2007年)や福岡県に現れたりと各地で出没しており、アザラシ類そのものが日本沿岸に現われることはときどきあるようです。 アゴヒゲアザラシは成長すると体長2~2.6mにもなりますが、今回のものは写真から推測するに体長1.5mぐらいの若者のようです。 愛嬌のある生きものとはいえ、あくまでも野生動物ですから、萩市としては「近づかず静観する」よう人々にお願いしているところです。 余談ですが・・・ 萩博物館で開催中の特別展「マンタの海流大冒険」 。 その会期中の土曜日に展示室に登場するキャラクター・・・海神王国をめざすキャプテン・マンターレに、今回のアザラシ登場についてちょっとコメントをいただきました。 いわく、 「このアゴヒゲアザラシも私と同じ。鬚を生やし、七つの海を渡り歩いて『まぼろしの海神王国』を求めているうち、何かを感じて『萩』にたどりついたのでは!? ・・・ということは、海神王国の『ありか』とは・・・」 なんだか「科学的」でないコメントを発しているキャプテン・マンターレですが・・・。 アザラシから何かにピンときて、海神王国の「ありか」に自信をもったようです。 『まぼろしの海神王国』とはいずこ!? それは萩博物館に来て、あなたのその目でお確かめください! (堀)
by hagihaku
| 2009-07-27 16:15
| いきもの研究室より
|
ファン申請 |
||