今年の夏は、忙しくてフィールドへ行くことができませんでした。
先日、久々にカメラを片手にむつみ方面を散策してきました。 道路脇を小型のキチョウが飛んでいるので車を停め、観察するとツマグロキチョウでした。このチョウは、山口県の絶滅危惧ⅠB類に属していて、近年数が激減している貴重なチョウです。 ここには、幼虫の食べるカワラケツメイがたくさんあり、ツマグロキチョウもたくさんいました。すべて夏型で産卵するメスと交尾をせまるオスが各所で観察できました。 山頂には、葉が黄色くなって弱っているエノキがあったので注意深く観るとヤノトラカミキリが産卵にきていました。このカミキリムシは、山口県では光市の故三好和雄氏による1例の記録があるだけです。かつて、私もカミキリ屋の一人としてこのカミキリムシを探しましたが、対馬や福岡県の英彦山では見かけましたが山口県内では見つけることができませんでした。今回は、あまりのあっけない発見に驚きというよりも自分の探索の未熟さを痛感しました。しかし、他県では一匹発見できれば多数の個体がやってくるのに、このエノキでは結局、この一匹しか確認できませんでした。 また、このエノキにはヒラアシキバチも産卵に来ていました。中には、産卵管をエノキに突っ込んだまま死んでいる個体もありました。 久々のフィールドで、ツマグロキチョウの群棲やヤノトラカミキリ・ヒラアシキバチといった貴重な昆虫に出会うことができ、大満足の1日でした。 やはり、虫屋はフィールドに出なければ・・・。 (ムクノキ)
by hagihaku
| 2009-09-24 12:06
| いきもの研究室より
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