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危険生物展、1万人突破!
萩博物館で開催中の「最恐!危険生物アドベンチャー」は、7/7(土)に開幕して以来、約2週間で来場者数1万人を突破しました!
大勢のみなさまのご来場、ありがとうございます。

さて、この萩博ブログでは、また来場してじっくり観覧したくなるような情報や、展示会場からでは分からない裏話などをこっそりお伝えしていこうと思っています。

今日ご紹介したいのは・・・これ!

危険生物展、1万人突破!_b0076096_13464729.jpg長さ7cmほどの貝ですが、黒地に白い大理石をはめこんだようなデザイン・・・自然が作り出したものとは思えない斬新さ。

とある理由で萩の海辺で貝に興味をもった小学4年の私は、辞典に載っていたこの貝の写真に目をうばわれました。この世にこんな貝があるのか!? 誰かが作ったのではないのか!?・・・ほしい!この貝がほしい!と私の子ども心は大きく大きく高ぶりました。

何とかしてこの貝を見つけてやる!と、来る日も来る日も近くの菊ヶ浜(萩市街の北側に広がる砂浜)に出かけたものでした。しかし、見つかるのはアサリやハマグリやツメタガイなど地味な貝ばかり。あげくの果てには、道端にこの貝が落ちてないかなぁ・・・なんてことを考えながらランドセルを背負ってトボトボと学校から歩いて帰ったのも覚えています。

やがて私は、この貝は奄美大島や沖縄、フィリピンなど熱帯~亜熱帯の海に行かなければ見つからない貝で、萩の海には生息していないことを知り、愕然としました。

が、もうひとつ私を驚愕させた事実がありました。それは、この貝はアブナイ貝なのだということ。ある本にはこう書いてありました「歯に人をも殺す毒をもつ」と。

これらのことを知った私は、この貝をこわいと思うより、なおさらカッコよく高貴なヒーローというか、「高嶺の花」のように思い、強く強く惹かれたものでした。

小学生だった私をこれほどまでに高揚させたこの貝・・・その名はナンヨウクロミナシ。貝殻の入口が狭く、奥の方に身が引っ込んでいると身がないように見えるためミナシガイ(身無貝)、または貝殻が芋のような形をしているのでイモガイ(芋貝)とよばれる巻貝のなかまです。ナンヨウクロミナシとは、つまり、「南の海にすむ、黒くて身が無いように見える貝」といったところでしょうか。

満を持して開催したこのたびの「最恐!危険生物アドベンチャー」の会場にも、私が子どものころからあこがれていたこの貝、危険生物の一員としてしっかり展示しておきました。

ただ、最後にひとつ、誤解を解いておきたいと思います。このナンヨウクロミナシは、上で触れた「ある本」に書いてあったような人を殺すほどの毒は実際にはありません
人が死ぬことがあるほどの毒をもっているのは同じイモガイ科の別の種類。とはいえ、弱い毒はもっていますので、南の島の海で生きたナンヨウクロミナシを見つけてもさわらない方がよいでしょう。

この貝の歯がいったいどうなっていて、なぜ毒をもっているのか・・・それはこの展示の会場の解説パネルでお確かめください。

また、この貝より毒が強い、人が死ぬことがあるほどの毒をもつという種類については、また後日、この萩博ブログでこっそりご紹介しましょう。

(堀)

by hagihaku | 2012-07-22 13:51 | 展示のご案内
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