先日より萩博ブログでシリーズでお伝えしている、「最強昆虫列伝」展(7/5~9/7)の関連イベント「昆虫トレインツアー」の第2回「須佐コース」(8/23)の様子・・・その④です。
11:30に萩駅を発車した昆虫トレインは、クイズや沿線案内などさまざまなイベントで盛り上がりながら、山陰本線の「ある場所」にさしかかりました。 その「ある場所」には、カメラをもった人がこちらを向いて立っています。 ここはいったいどんなところ? 「山口県の山陰本線」「カメラマン」・・・と聞けば、気づいた方もおられることでしょう。 そう、惣郷鉄橋(そうごうてっきょう)です! 正式には「惣郷川橋梁」(そうごうがわきょうりょう)と呼ばれます。 全長189.14m、山陰本線の宇田郷駅(阿武町)と須佐駅(萩市)の間にかかるもある鉄道橋。 左は別の日に地上から撮った写真ですが、見てください、この威容を。 下から煽った写真です。 高さ、なんと11.6mもあります。 1932年(昭和7)、波や潮風によって朽ちるのをさけるため特殊な技術を駆使して建設された、まるで神殿のような構造物。 この惣郷鉄橋が完成したことにより、萩はもちろん、近畿地方の京都駅から日本海沿岸を通り本州西端の幡生駅(下関市)まで延々676kmもある龍のように長大な山陰本線の全区間がつながったといいます。 つまり、山陰本線の最後の最後の難所だったのです。 この惣郷鉄橋の大迫力は、約5km先からも見えるほど。 同じく別の日に阿武町田部から撮った写真ですが、はるか彼方の中央に、白い神殿のような惣郷鉄橋が見えます。 別の日に近くの集落から撮影した写真。 この構造物は2001年に土木学会選奨土木遺産を受賞したそうです。 橋をめぐる景色がよいことから、撮影ポイントとして鉄道ファンの方々の間で人気が高いといいます。 試しにネットで「惣郷鉄橋」で画像検索してみてください。息をのむような、すばらしい写真がいくつも出てくるはずです。 これでおわかりでしょう。この場所でカメラをもって「昆虫トレイン」を待ち構えていた人。 ・・・昆虫トレインがこの「惣郷鉄橋」の上を走る雄姿を収めるため、この日この時のためにやってきたベテランの鉄道ファンの方でしょう。 高さ11.6mもあるこの惣郷鉄橋の上を昆虫トレインが渡るとき、車内の参加者の皆さんはどんな気分を味わうことになるのでしょう? 添乗の清水副館長より、橋にさしかかるはるか前から、惣郷鉄橋の歴史やスペックについての車内放送があり、 ・・・皆さんの「心の準備」はできました。 もうひとつ、大事な話がありました。 この惣郷鉄橋の上の線路は、なんと海に向かって傾いているのです! 左は別の日にとった橋上の写真。向かって右の海の方へ、わずかに線路が傾いているのがわかりますか? 橋の上を走る列車に働く遠心力の影響を減らし、陸側(向かって左)に倒れないようにするためわざと傾けてあるのです(「カント」と呼ばれます)。 ここへ、いよいよ昆虫トレインがさしかかりました。 山陰本線屈指の絶景ポイントですから、速度をものすごく落としての走行です! 車内では・・・ 「おおおおお~~っ!」 参加者の皆さんから歓声があがりました。 海に向かって傾いていますから、海側の窓の下は、はるか11.6mも下の海面! このサプライズには参加者の皆さんの多くが感嘆。陸側の席の人たちもドドドドッと海側へ移動して写真撮影! さすが長門鉄道部がしっかり管理・運行する昆虫トレイン! 片方に人が寄ったぐらいではびくともしません。 まるで水面の上を滑るミズスマシのように、昆虫トレインは青い海の上を何分もかけて「飛行」! ふだんこの区間を走っている定期列車は、今回の昆虫トレインのように低速では走りません。 惣郷鉄橋での低速走行は、8/10の山陰本線復旧以来「初のイベント列車」としての貴重なアトラクションでした。 惣郷鉄橋の興奮さめやらぬうち、昆虫トレインは長いトンネルに突入。 全長約2kmもある大刈トンネルです。 「この長いトンネルを抜けたら・・・その先はキミたち人間の常識など通用しない昆虫界だ」 ・・・カブトロイダーの怪しげな放送を耳に、やや不安げに暗黒の窓の外を眺める参加者の皆さん。 薄暗い中、ザーーーーガタンゴトンといつまでもいつまでも轟音が続きます。 この先、参加者の皆さんにどんな光景や体験が待ち受けているのか・・・ 次回に続きます。
by hagihaku
| 2014-08-31 11:01
| 催し物のご案内
|
ファン申請 |
||