ヨルダン国のサルト市では、萩のまちじゅう博物館にならった町づくりや、中核博物館整備、持続的な観光の創出が進められています。 萩市からは、学芸員某と、景観管理の専門職員が現地に赴き、様々な技術協力を行っています。 先日、中核博物館のエデュケーターとリサーチャー、そしてローカルガイドとともに、萩でもしばしば行っている「古写真で再発見」ワークショップを実施しました。 古写真の撮影場所を探し出して現況を記録し、その過程で、変わったもの、変わらないものを見出し、町の資源や魅力を再発見するというものです。 写真は、誰もが一目見て理解することがでる資料です。 そして見方によっては、様々な情報を引き出すことができる良い資料なのです。 まずもって、撮影場所を探し出すことは楽しい体験で、誰もが平等に参加できます。 今回も、予想通り、大いに盛り上がりました。 あの家のあの窓!あの建物とあの建物!120年前と変わってないぞ!あそこも! ・・・ 道行く人を巻き込んで、撮影場所を探します。 その中で、町の変化について気づくことができますし、重要な情報を得ることができます。 町の中央に泉が位置していたことや、男性・女性・動物用にそれぞれ泉があったこと、水を汲んで丘の家まで担いで運んでいたことなど、次から次へと興味深い町のストーリーを聞くことができました。 それやこれやで盛り上がり、結局、当初用意した古写真の半分しか場所を特定することができませんでした。 レヴューでは、変わらず存在する伝統建築が多いことに驚いたとか、それらに住み続けながら今に伝えていることを誇りに思うといった感想も聞かれました。 残りは自分たちで探す! こどもたちと、再発見ワークショップを実施してみたい! ガイドを実施する際の資料として古写真ファイルを作ろう! なかなかの反響でした。 別の日にローカルガイドの人たちの待機場所の前を通ると、古写真を前に、熱心に、地元の年輩者と話し込んでいました。 また一つ、地域の人たちによる地域の再発見が進み始めました。 (学芸員某)
by hagihaku
| 2015-05-16 17:04
| くらしのやかたより
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