数日前の3/25(日)のこと。NPOのKさんより「海が赤いんだけど、なぜ?」と連絡が。現場は菊ヶ浜とのこと。
私は、「まさか○○では?」と思い、勤務後、早速菊ヶ浜へ。 レジャーでお子さんと遊びに来ていたKさんと合流しましたが・・・、 ← 少し薄暗くなった夕方の菊ヶ浜では、海が赤いのだか青いのだかなかなか分からず。 しかし、明るいうちにケータイのカメラで撮ったという写真を見せてもらうと・・・ ← たしかに、手前の部分の 海が(波が)、 ・・・赤いっ! もう分かった方も多いでしょう、「赤潮(あかしお)」です。 「赤潮」は、小さな浮遊生物・・・プランクトンがたくさん発生して海の色が赤くなる現象。 原因となるプランクトンは約40種類もあると言われていますが、そのうち一部の種類が「赤潮」を起こすと、プランクトンの毒や酸素不足で魚や貝が死ぬこともあるため、養殖場などの水産関係者は警戒しています。 海が汚れて富栄養化すると「赤潮」が発生するとよく言われますが、・・・実は「赤潮」は日本では奈良時代から確認されていた自然現象で、必ずしも海が汚れたから発生するとは限りません。 なので、「海がもうダメになった~っ!」などと早合点しないでくださいね。 ← さて、菊ヶ浜にて、Kさんとお子様たちと少し東へ歩いていくと、「赤潮」の水たまりが見つかりました。 「赤潮」が浜に寄せられ、波打ち際から離れたところに取り残されたようです。 この「赤潮だまり」からは、異様なにおいが・・・ こういう状況にでくわすと、たいていのオトナは触ってみようなどと思うどころか、「きもちわるぅ~っ」と言って立ち去りますよね。 ← しかし、Kさんの娘さんのY-chan、好奇心旺盛な小学2年生ということもあって、落葉を使って「赤潮だまり」の液体に触れてみました。・・・これが、今日のサプライズのはじまりだったのです! 落葉を「赤潮だまり」にそっと浸けて、再び落葉を持ち上げたとき。触れた部分の液体が・・・ 水色に光った! ← 妹のA-chanも、棒で液体に触れ、線を描いてみました。やはり、棒の跡が蛍光色の水色に光り・・・そして、スッと消えました。 ← 「おーっ、これはすごいなー、A-chan、もう一回やって!」と、撮影を試みる私(右)。 ・・・でも、なかなかデジカメに写らず、何度も撮り直し。 (なので、このブログに掲載した写真はKさんのケータイのカメラの画像) ← お兄さんのK-kunが、板で「赤潮だまり」を勢いよく掃いてみました。 すると、こんどは彗星のような見事な美しい水色の輝き。 どうやら、この「赤潮」の正体のプランクトンは、「ヤコウチュウ(夜光虫)」のなかまのようです。 夜光虫は、海の表面近くにすむ直径0.5~2mmの丸いプランクトンで、夜に光るためこの名があります。夜に船で海上を走ると船べりの波が青白く光ることがありますが、これはたいていは海面の夜光虫が刺激を受けて発光したもの。 ← 「おっ、これはおもしろいなー」と、子どもたちにまじって、我を忘れて「赤潮だまり」をかき混ぜる私。 浜に打ち上げられても発光するということは、この夜光虫たちはまだ生きているのですね。 こうして「夜光虫遊び」をしているうちに、あっという間に1時間もたってしまいました。 ← ふと我にかえり、「いやー、楽しかったねー」・・・と雑談するKさん一家と、私。 気がつくと、もう19時。とっくに日は落ち、菊ヶ浜は静かに夜をむかえようとしていました。 「あっ、赤潮だ。」・・・この小さな発見を放っておかず、もう一歩前にふみだして「触ってみよう」「試してみよう」と働きかければ、海は私たちにいろんなことを教えてくれるのです。 城下町のすぐ目前のこの浜辺には、サプライズのネタがまだまだいっぱい隠されています。 それをひもとくのは・・・次はあなたの番です。 (堀)
by hagihaku
| 2007-03-27 11:42
| いきもの研究室より
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