一見、どこでも拾えそうな貝が3つ。
ところがこれら、今まで日本海では見つかったことのなかった種類だったのです。 ← その1. スソムラサキダカラ(長さ2.9cm): 2007年1月9日 下関市角島 萩博物館では、海のいきものに注目して近海の環境の変化を調べていこうと、私(堀)やNPOの有志のみなさんと共に、萩のまわり(萩市北東部~下関市北部)の海岸をめぐって貝の採集をおこなっています。 こうして続けてきた調査のうち、1/3、1/9、4/29に下関市角島で採集した貝の中から、この3種が見つかったのです。 どれも熱帯太平洋やインド洋に分布し、日本では暖かい黒潮がよく当たる本州の南岸や九州西部でしか確認されたことのなかった貝。 ← その2. ジュセイラ (長さ3.7cm): 2007年1月9日 下関市角島 ← その3. キビムシロ (長さ1.8cm): 2007年4月29日 下関市角島 萩近海は1980年代末から水温が高くなり、それを追うように熱帯性のいきものたちが続々と発見されています。この3種の貝たちも、南の海から対馬暖流にのってやってきて、ここで成長したのでしょう。 私たちが陸上から見ている限り、いつも変わらず美しくゆらめく萩の海。しかし海面下では、いきものたちの顔ぶれや暮らしが少しずつ変わってきていることを、この貝たちは私たちに教えてくれているのです。 3種の貝のくわしいことは一昨日プレスリリースしましたので、近日中に記者配布資料を萩博物館のHPにも掲載します。 また、標本は現在開催中の「魅せます!萩の海」展(~5/15)で昨日から展示公開しています。 萩の海が今どんな状況なのか、実物で実感するいいチャンスだと思いますので、ぜひお越しください。 (堀)
by hagihaku
| 2007-05-03 11:16
| いきもの研究室より
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