9/16のブログに書いた、私(堀)が夏に一度だけ行った海洋調査の回想・第2弾。
素潜りで菊ヶ浜の海中を観察していたときに出会った、長さ7cmほどの小さなイカ。 これは萩ではミズイカと呼ばれ、食の世界では「イカの王様」とも称される高級イカの「アオリイカ」でした。 かわいらしいこのイカ、実は高きプライドの持ち主だということが判明したのです。 いま、ダラリと腕をたらしてノンビリしていますが・・・ 次の瞬間・・・ 私の方を向いて、腕を上にヒョイと持ち上げたのです。 ん?・・・これは何のマネ!? 何かのマネ?というより、ポーズをとって私に何かを訴えているかのようです。 横から見ると、英文字の「J」の形に。 明らかに、イカの普通の姿ではありません。 それでも私が無反応でじっと眺めていると・・・ 静止したまま、こんどは、体形を急変させました。こんどは、すべての腕をクワッと開帳! 胴体には、横のシマシマ模様が浮かび上がっています。こんな模様は、最初はなかったはず。 私につかみかからんとばかりに広げられた腕。そして、まるで私を睨みつけるように静止。 7cmばかりの小さなイカから、並々ならぬ迫力が私に伝わってくるのです。 それは決して、いろんなポーズを披露してサービス♪・・・といったファンキーなものではなく、明らかに殺伐としたもの。 どうやら、このイカは私を警戒し、威嚇しているようです! その後、このイカは腕を横にのばしました。 体は英文字の「T」を逆さにしたような形に。 こんどは腕を後ろの方にそり返し、錨(いかり)のような体形に。 あの手この手でジェスチャーで私に何かを訴える小さなイカ。 ・・・もう十分わかりました。 このイカ曰く、「なんだよぅオマエ! あっちいけよ!」ってなとこでしょうね。 それでも私が立ち去らずにじっと観察していると・・・ 次の瞬間、ヒョイっと泳ぎ去ってしまいました。 「ええい、わからんヤツめっ!さらばじゃ」・・・ってとこかな? こうして、何十分にもわたって後頭部だけを海面からのぞかせて海中のイカとにらめっこしていた私・・・たぶん陸上の人々から見たら、黒いブイかスイカが浮かんでいるように見えたことでしょう。 そんなことはいいとして、 私の大学時代の先輩の著書『イカ・タコ ガイドブック』(土屋光太郎著:TBSブリタニカ刊)によると、イカの「Jポーズ」は強い腕や鋭い口ばし(顎板)などを見せつけて力を誇示する意味があるらしいとのこと。また、胴体に浮かび上がる横のシマシマ模様も、相手へ威嚇の効果があるとのことでした。 イカは声を出して話したりはしないけれども、液晶パネルのような体の表面にサインを出したり、腕や全身を使ったジェスチャーで感情を表現するんですね。 イカって、人間に劣らず感情が豊かなんですね~。 (堀)
by hagihaku
| 2007-10-03 09:52
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