萩の海中のようすは・・・? 【海中調査①】
連日「風雲!昆虫城」展で走り回っている私(堀)ですが、先日8/13(水)、本業の海洋生物担当として近くの海辺に「海中調査」にでかけました。

「海中調査」といっても大規模な測量や採集をするわけではなく、水中カメラをもって海を泳ぎ回り、以前と比べて環境が変化したところはないか、何か珍しい生物はいないかを定期的にチェックする「巡回」のようなもの。

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場所は萩市の西にある倉江ノ浜

県下有数の海水浴場として名をとどろかせている菊ヶ浜とは対照的に、ここ倉江ノ浜はローカルな浜辺なので夏休み中も人影はまばら。
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遠くの空には雨雲が出ていましたが、海は夏の鮮やかさそのもの。

水面の上からエメラルドグリーンの海底が透けて見えます。
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水中メガネをつけて波打ち際から海に入り、少し沖まで泳いできました。

海面から眺める緑の陸地も美しいものです。リゾートビーチを遠巻きに見ているような気分。
b0076096_11274793.jpg倉江ノ浜の「シンボル」-ビーチ脇の海食洞(かいしょくどう(海触洞))。
子どものころ、何だか怖い感じがしてあまり近寄らなかったのを覚えています。
・・・などと、ラッコのように水面にプカプカ浮かんであたりを見回して遊んでばかりいてはいけませんね。さて、本業の水面下の世界の観察へと移りましょう。

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近頃にわか雨が多くので海底の砂が巻き上げられたり川から土砂が流入したせいか、海中は思ったより少し濁っていました。が、それでも海中は夏らしいエメラルドグリーン。

私に驚いて、2匹の魚影がそそくさと逃げていきました。卵ではなく赤ん坊を産む魚・ウミタナゴです。
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海底に目を落とすと、岩の間の白い砂が道のように長くのびています。
竜宮城へ続く参道!?
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あちこちの岩のすきまに黒いイガグリのようなものがたくさん!

北浦名物、ムラサキウニですね。
b0076096_11312558.jpg暑くて日射が強いせいか、それとも何かほかの原因があってか、あまり魚の姿が見られません。

が、この魚だけは多かった~。好奇心旺盛な魚、カワハギ(萩での方言:メイボ)。これは体長20cmほどある大物。ほか、大小さまざまのものと何十匹もご対面。
b0076096_11324071.jpg岩陰に、体長3cmほどの、黄金のボディーに黒いストライプのオシャレな魚を発見!
カゴカキダイです。

熱帯魚っぽいイメージがありますが、日本近海の「温帯」の海にすむ魚。大きくなると15cmにもなります。
b0076096_11332947.jpgおっ!またシマシマの魚が・・・これはオヤビッチャという魚(写真の右下と左上)。

もともとは熱帯の海にすむ魚で、南からやってくる対馬暖流にのって次第に生活域を広げ、ずいぶん前から萩のあたりでも暮らすようになった魚です。
b0076096_11344580.jpgごく浅い海底の岩の上に、こんな物体が。キクメイシのなかま です。キクメイシって???と思われるでしょうが、これ、正真正銘のサンゴです。

「荒れ狂う鉛色の日本海」のイメージのある萩の海ですが、なんと、サンゴもいるのですね。
日本海の南に位置し、もともと対馬暖流の影響を強く受けてきた萩では、こうしたサンゴや熱帯魚が昔からちょくちょく目撃されていましたが、近年は何となく増えている感があります。

これが世間で叫ばれている「温暖化」と何か関係があるのか、詳しく調べていかなければなりませんね。

・・・と、今回のような巡回タイプの「海中調査」が、本格的な研究テーマの設定や大まかな傾向の把握に役立っているのです。

この後、私はここ倉江ノ浜の海中調査の後半で、小学生のころからずっと気になっていた「あるモノ」との再会に成功!! 

その「あるモノ」とは・・・それは後日このブログで改めて!

(堀)

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by hagihaku | 2008-08-18 11:15 | いきもの研究室より
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